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笑顔を忘れない

2015.07.10 (Fri) Category : アニメ

(本文は7月28日に書いています)

ANIMAXで放送していた『ナースエンジェルりりかSOS』が終了しました。
本放送時は見てなかった作品でしたが、今回たまたま序盤の回を見たら、続きが気になる内容だったので、そのまま見るようになりました。

何で当時見てなかったのかって?

当時は「主人公の女の子が変身するアニメ」がやたら多かったんだよ…

『りりか』放送中だと『セーラームーンSS』『ウェディングピーチ』『レイアース』『とんでぶーりん』があって、その後『セイントテール』が始まったし。
で、主人公が小学生で、チームで戦うわけでなく(サポートしてくれるキャラはいますけどね)、変身後の姿に今でいう「萌え」要素が薄い『りりか』は地味に見えてしまい、1回も見てないのに選択肢から漏れちゃったんだ。
ヤなガキだったぜ、まったく(^3^;)>
とはいえ、上に上げてる他の作品は今でも好きですし、遅ればせながらこの度『りりか』も好きな作品になったので、乱立していたものの、それぞれの作品はどれも名作という、いい時代だったと思います。




話を『りりか』に戻しまして…

今回見て思ったのは、『りりか』は物語の縦糸となる要素がわりと重め。
各回それぞれは、じんわりとくる優しい話が多いんですけどね。

特にカノン関係のシリアスさは、見ていてハラハラするほど。
カノンはりりかをナースエンジェルに選んだ異世界クィーン=アースの戦士で、地球では加納 望と名乗り、りりかの学校の上級生となりました。
序盤はりりかを助けるポジションだったものの、「黒のワクチン」に蝕まれていることが分かり、話が進むに連れてどんどん弱っていきます。
りりかに授けた「緑のワクチン」の力を使えば治る見込みがあるものの、その残量が少ないので、未熟なりりかがいつまで続くか分からない戦いに身を投じているからと治療を拒否。
一方で、「緑のワクチン」を生み出す「命の花」を必死で探すものの、それも見つからず。
という展開が続きます。
カノンの執事が敵(ダークジョーカー)の攻撃で死んでしまうという展開も、この手の作品ではあまり無いことなので驚きました。

結局、自分を救うよりもダークジョーカーの侵略で傷ついた人々を救うこと(それは時に敵さえも)をりりかに促し、カノンは消滅―
しばらくりりかは落ち込むのですが、やがて立ち直ります。

ところが、カノンは敵の総帥・ブロスの手に落ちていたことが判明!?
生きていたけど、敵になったのです!!
そのことが分かってからしばらく後、カノンは再び「加納先輩」として姿を現します。以前とは違う表情を浮かべながら。
で、りりか達がカノンが敵になったと気づいたり、それをりりかが受け止めるまで、またしばらく続きます。

そんなわけで、見ている側としては「加納先輩はいったいどうなっちゃうの?」という展開が続きました。
ここまでの展開を見れば、りりか以上に運命に翻弄されてるよ、この人。

で、カノン本人からりりかを守る力を託された少年・星夜と、ダークジョーカーの一員だったもののりりかに命を救われたデューイ。
この2人と共に、りりかは敵の本拠地に行き、敵のブロスを倒すことに成功。
最後の悪あがきとばかり、ブロスは残された力を善悪の狭間で苦しむカノンに注ぎ込むのですが、りりか達は遂にカノンを救うことに成功します。
(その肝心の回を見逃してるんだ。詳細は分からん。スマン!)


敵のボスは倒したけど、世界に散らばった「黒のワクチン」はまだ残っており、肝心の「命の花」が見つかってないので、話はまだまだ続きます。
とはいえカノンが完全に味方に戻った(最前線からは引いたけど)ので、この時期の話は安心感がスゴイ! りりかのライバル(?)ポジションな新キャラが出たり、日常パートの脇役にスポットが当たった話が続いたりと、楽しい話が多めです。
(「緑のワクチン」は徐々に減っていってるんですけどね)

ところが、最後の最後(ラスト2話)で、また物語は重くなります。


ずっと探していた「命の花」は何処にあったのか?




実は、かつてのダークジョーカーで先代のナースエンジェル(りりかの前世)が「命の花」をすべて消していたのです。
「命の花」がある限り、それを狙ってダークジョーカーが現れるからです。
そして、先代は「命の花」を自分の命に封印して消滅。
遠い未来、再びダークジョーカーが現れた時、それに立ち向かう新たなナースエンジェルも現れたのですが…

ダークジョーカーを消滅させる「命の花」は、りりかの命そのものだったのです!?


つまり、この世をダークジョーカーから守るためには、りりかの命が必要…!?


この事実を知ったカノンは、苦渋の決断をしてりりかに告げます。(損な役回りですね)
重すぎる事実に打ちのめされ、りりかは「死にたくない」という思いと「世界を守りたい」という思いの板挟みになるのですが…

「黒のワクチン」で世界が滅ぼされるであろう日の前日は、ちょうどりりかの誕生日。
何も知らずにりりかの誕生日を祝ってくれている家族や友達の笑顔を見て、りりかは遂に決心します。(最終回だけあって、味方サイドのキャラが総登場してるのがいい感じでした)


りりかの様子がおかしいことに気付いた星夜とデューイは、カノンから真実を聞き、りりかを止めます。
世界が救われたって、そこにりりかがいなければ何の意味もないと叫ぶ星夜。
その思いを受け止めつつも、りりかはカノンに 最後のお願い を言います。

「黒のワクチン」を消滅させたら、カノンの「記憶を消す力」を使って、森谷りりかという人間は最初からいなかったことにしてほしいと―


そんな感じで、最後まで思い展開が続きました。



(ネタバレになりますが、りりかは助かりました。
 正確にいうと、「黒のワクチン」消滅後に現れた「命の花」で覆われた花畑で目を覚まし、「生きてる…?」と呟いたりりかが本編のラストシーンとなりました
 その場所が現実の世界かどうかは分からないので、本当に生きているのかはハッキリとしませんが、そこはまあ好きに解釈していいと思います。
 「黒のワクチン」に立ち向かう際、もう1人の運命の少女であるクィーン=アースの王女ヘレナの力を借りていたし、命の花が解き放たれた時に先代のナースエンジェルの姿が現れたので、それらの影響で助かったのでは? と考えらえます
 王女様の方はエンディングの1カットで、自室で目を覚ますシーンがあったので、こっちは助かった模様)


20年越しですが、名作と思える作品が増えて嬉しいです。
途中から見始めて、結構見逃した回もあったので、また機会があったら今度はキチンと全話見てみたいです。

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