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ネメシスの謎

2015.09.20 (Sun) Category : ゆで(新作『キン肉マン』)

(本文は9月30日に書いています)

ずいぶん間が空いてしまいましたが、Web連載『キン肉マン』の感想です。
もうすぐ新刊が発売されるし、今更という気もしますが(^^;)>


ラーメンマンとの戦いの最中、自らがキン肉王家の者である事を明かしたネメシス
彼の口から語られるのは、キン肉王家の黒き過去だった―





というわけで、ラーメンマンVSネメシスの戦いの続き。

冷静さを極めたように見えるネメシスもキン肉族の事となると感情が昂るようで、ラーメンマンはその隙を見逃さずに回転龍尾脚をお見舞い。
さらに、「なぜキン肉族を捨てた?」とスグルに代わって問い詰めます。

「よもや回避はできぬようだ」と、その問いにネメシスは答えます。
彼はかつて、あまりにも才能に溢れ優秀すぎた故に、その存在のすべてを抹消されたと。

そして語ります。
彼自身の過去を―


キン肉族の王室に生まれ、王家の一員として何不自由なく暮らしていたネメシス。彼自身は第二王子であり、王位継承第一候補はだった。しかし、王家の帝王学や超人レスリングの英才訓練といった教育を同等に受けて育てられ、兄との仲も良好そのもの。
本人曰く「少年時代は なんと素晴らしい一族に 生まれてきたことかと  己の出自を 超人の神に感謝して いたほどだった」と、誇りに思っていたそうです。

しかしそんな充実した日々に、暗雲が立ち込めるようになります。
王室の側近の中にネメシスのことを貶める噂を立てる者が次々と現れ、やがて彼の父である王にも「この弟は災いの種になる」と進言する者さえも現れたのです。

理由は極めて単純。
ネメシスがあまりに優秀過ぎたからです。
彼の兄優秀な人物だったのですが、ネメシスはそれ以上
なんと僅か13歳にして、キン肉族三大奥義の中でも最も難しいと言われるマッスル・スパークを習得してしまうほどでした!?

旧作や『Ⅱ世タッグ編』を読んだ方ならご存じと思いますが、キン肉族三大奥義はどれもマスターすることが難しく、1つでも完成させられたならその者は紛れもなくキン肉星の王の資格があると言われるほどです。
スグルの父・真弓のように習得出来なかった王もいますし、アタルや万太郎でさえマッスル・スパークの完成度は50%でした。
フェニックスは2つも披露しましたが、邪悪の神の力を借りた面もあります。
ゼブラは一応、自力で身につけてたみたいですが、スグルに破られたのであのインフェルノは完全版ではないのかも知れません。(ステカセキングにコピーされてたし)
唯一真っ当に身につけたスグルも自力では50%で、アタルのヒント(残りの50%)を教えられることで完成させられました。
(なお、後付けで「マッスル・スパークは、かけ手であるスグルの肉体にもダメージを与えてしまう」という設定が追加されました)

そんなマッスル・スパークを若年で身につけたネメシスは、如何に才能あふれる少年だったのか!?
しかし、周囲の者たちは彼の異常なまでの天賦の才恐怖したのです。
ちなみに、彼の父である国王もマッスル・スパークを身につけてはいません。まあ国王が息子を恐れたのかどうかはハッキリとは書かれてなかったのですが、その後ネメシスは幽閉されることになったので、少なくとも家臣達の意見を汲んだ模様。

そんなわけで、秘密の地下道を越えた先の深い森の真下にある地下牢に幽閉されたネメシス。
縞々の囚人服を着せられとれ、正座しております。

その後、彼の存在を語ることはキン肉族ではご法度となり、口にすれば捕えられ、処刑されたそうです。
処罰じゃないです、処刑です。
ネメシスの写真を手に涙目になってた青年2人(ネメの友人か、元お付きの者あたりか?)は、巡回していた兵士たちに捕えられ、写真を燃やされてました。

恐ろしいな、キン肉王家。

この分だと、後にアタルが家を飛び出した時とか、スグルが間違えて地球に捨てられた(代わりに豚を王子とした)こととかも、同じように口封じしてた可能性が出てきました。
ネメちゃんはさっきの話を「フッ 恐ろしいことだ…」とシニカルに言って、話を聞いてたスグル達は驚愕してましたが、我々も驚きました。
いや、ネメの時代のことじゃなくて、アタルやスグルの事件に潜む怖さに。


(ここからは10月2日に書いています)

その後、ネメシスのことがすっかり忘れ去られた頃に、キン肉星の王の座にネメシスの兄が就くことになります。
その兄は、キン肉星第56代大王
スグルが第58代真弓が第57代だったから、もしかしてと思ったら…

キン肉スグル! 
お前の祖父にあたる人物 キン肉タツノリだーーーーーっ!!」


そう、スグルのお爺ちゃんのタツノリでした。
旧作の第9巻のウォーズマン戦で真弓の口から語られており、「肉のカーテン」で敵の猛攻を凌ぎきったという偉大な戦士です。
ちなみに、『Ⅱ世』のアシュラ戦でキン肉族の開祖がタツノリだとか言われてましたが、まあ、ゆでだしそっちは同名の別人と考えていいかと。初代タツノリと、タツノリⅡ世みたいな感じ?
今作でキン肉族はシルバーマンの子孫という設定が出来たので、万太郎を入れてもまだ4代しか続いてない家系というのは考えられませんし。まあ、ゆでだし


ともかく、これでようやくネメシスがキン肉族の家系で何処に名があったのかが分かりました。
祖父の弟ということで、スグルの大叔父に当たります。
私はてっきり、真弓の兄か何かと思ったんですけどね。


ここまでが7月6日配信分
旧作で伝説の戦士っぽいイメージがあったタツノリが、実はキン肉族の闇そのものみたいな存在だったのかと、ハラハラしながら次の回を待ちました。

ところが次の話(7月13日配信)で、そのことは早々に否定されます。
ネメシス曰く、「安心するがいい キン肉スグルよ (中略) お前も そう信じているように わが兄タツノリ自身は 非常に気のいい 高潔な男であったのだ」とのことで、更に「実際 王としても これ以上ない人物であっただろう」とのこと。
自分を陥れた連中の行為を、「得体のしれない存在に 恐怖するのは いつの世も 凡人どもの常」と言い、キン肉族のことを「なんたる偽善 なんたる虚栄 なんたる砂上の楼閣か!」とまで言ってのけたのに、兄のことだけは認めていたのです。
タツノリ爺ちゃんが善人で、ホッとしました(^o^;)
(これが『Ⅱ世』の頃のノリだったら、タツノリが嫌悪される偽善者集団の代表にされていただろうな(--;))


タツノリは只一人、幽閉されたネメシスの元に訪れており、不遇な弟を気遣っていたのです。(やっぱり囚人服姿のネメがお茶目)
しかし、それも長くは続きませんでした。元老院がネメシスの処刑を決定したからです。王になったばかりの自分にはそれを止めることが出来なかったと嘆くタツノリに、ネメシスは言います。
「悪いのはたいした能力もないくせに 寄り集まって派閥を作り この星(くに)を おかしくしている くだらない連中だ」
そして、王であるタツノリに無念の涙を流させる星など「滅べばいい!」と。ネメシス自身は、自分は政治家に向かないからと隠遁生活を送ることを受け入れていたようですが、ここに来てガマンの限界。遂にキン肉族と決別することを決めました。
「ありがとう わが兄タツノリよ…」
10日後が処刑の日を教えてくれた兄に、その日にはもう自分はここにいないだろうからと、キン肉族としての最後の礼を言うネメシス。
弟に生きてほしいと思うタツノリは止めるマネはしませんでしたが、1つだけ忠告の言葉を言います。
キン肉族の力の源泉慈悲の心にある。それが欠けていることは、ネメシスにとって唯一の弱点になるだろうと。
しかし、「もはやオレに慈悲はない」と言い切るネメシス。
そんな弟に背を向け、兄は言います。
「…ではさらばだ。永遠に……」
そして最後まで互いを気遣った兄弟は、決別をしました。

キン肉王家とその側近たちの黒い部分が描かれ続けたので、正義超人として正しい資質を見せるタツノリの人格にホッとさせられます。ネメも、兄だけは心の底から尊敬していたのだろうことが伺えます。
ネメシス自体は慈悲の心が欠如している正義超人としては異質な存在だったのでしょうが、周囲の者たちの悪いのせいでそれがますます歪んだ方向に進んだのでしょう。もし周囲が彼を真っ当な超人に導く者たちだったなら、彼も慈悲の心を知りえたでしょう。その点でも、タツノリの発言権が弱くて哀しい弟を保護できなかったのが悔やまれます。
ネメシスがキン肉族の力の源である慈悲の心を持たないことは、今後の展開で弱点となって現れる一方、スグル達との戦いでそれを知っていくのではと思います。


(ここからは10月5日に書いています)

話をネメの回想に戻しまして…

兄が来てくれたその日のうちに脱走したネメシスは、地球へ向かいます。
何か目的が欲しかった彼は、あるかどうかも分からない伝説の地「聖なる完璧の山(モン=サン=パルフェ)を目指したのです。

そして、遂にその地に辿り着いたネメシス。
彼がそこで最初に出会ったのは…

「また現れたか 命知らずの下等超人よ」

ミラージュマン!!

「聖なる完璧の山」の門番である〝完璧・参式〟でした!!
設定的に当然といえば当然なのですが、ミラージュマンの再登場(時間軸的にはこの場面の方が先なのですが)とは嬉しいサプライズです!!
(ちなみにこの場面、血まみれで振り返るミラージュが最高にカッコいい! 初登場時に「あの将軍と同格!!」と興奮したことを思いだします)

伝説は本当だったのだと震えるネメシスに、完璧超人入りできるかはどうかはお前次第と告げるミラージュマン。
ここが登龍門となるか? 死出の門となるか?
ミラージュマンの試練を受けるネメシス。

流石に完璧始祖であるミラージュマンは強く、ネメも劣勢。必殺のカレイドスコープドリルを放たれ、絶体絶命!?
その時! ミラージュマンはネメシスの防御体勢を見て、驚きの声をあげます。

「間違いない これは あのシルバーの…!?」

そう。ネメシスのパーフェクト・ディフェンダー(肉のカーテン)は、シルバーマンの得意とする防御法だったのです。
それを見て、ネメシスがシルバーマンの子孫だと気づくミラージュ。


盛り上がってきたところで、続きは2週間待たされました…
で、7月27日配信分で―

「ようやく…ようやく帰ってきたのだな シルバーよ…」

ミラージュマンはネメシスを試練合格にし、シルバーマンのことをや超人界の歴史を聞かせます。
そして最後に、聖しかなる完璧の洗礼を授けます。

「偉大なる完璧超人始祖〝完璧・弐式〟シルバーマンの子孫よ 完璧超人への転生を… ここに受け入れる覚悟はあるか?」

「このオレに戻る場所などもはやない この扉の先こそが 生まれ変わったオレの新たな故郷となるのだ」

そして現在のネメシスの姿になり、彼は新たな完璧超人の〝家族〟として、祖先がかつて捨てた母なる故郷へ、数億年ぶりに還ったのです―


悪魔将軍にはあっさりと負けたミラージュマンですが、やはりその実力が本物だったことがよく分かりました。もっともこの時点のネメシスはまだ完璧入りしてないので、格下相手に優勢だったに過ぎないのかも知れませんが(^_^;)
ちなみに、完璧入りして相当に実力を向上させたであろう現在のネメシスも、超人墓場で将軍と遭遇した時に軽くあしらわれていので、将軍が強すぎることは間違いないです。
ともかくミラージュが強いと分かったこと以上に、ネメシスという今シリーズの重要キャラに深く関わる立ち位置に就けたことの方が嬉しかったり。肝心の戦闘ではあっさり負けたものの、その後の回想シーンで魅力が増していくのは『烈火の炎』磁生を思い出させます。(『北斗の拳』のシンはちょっと違うかな?)


(ここからは10月6日に書いています)

ネメシスの衝撃の告白に、会場中の殆んどが驚愕していたのですが、中でもスグルのショックは相当なもの。ネメ本人から名指しされ、「偽りだらけのキン肉族に 鉄槌を下すため (中略) オレは お前に会いに この地上へ 舞い戻ったのだ!」と言われる始末。
衝撃の事実に打ちのめされるスグルに、今まさにネメシスと試合中のラーメンマンが呼びかけます。

「権力者なんて どの時代においても ロクなものじゃない」

そのロクなものじゃない権力者に反発する者が現れ、新たな権力を持って取って代わり、それに反発する者がまた現れる….。歴史なんてその繰り返しで、キン肉族もどうせロクなものじゃないとまで言い切るラーメンマン。
さすがにミートが憤慨するのですが、当のスグルは反論しません。

とはいえ、ラーメンマンも悲観的な話をしたかったわけではなく、「その後悔と 反省の 繰り返しが 歴史というものの 本質でも あるからだ」と言います。

「キン肉マン お前は 人の痛みが わかる超人だ!」

先ほどのタツノリの言葉、慈悲の心がある者ということでしょうね。
ネメシスの生きた時代がキン肉族の陰の時代とするなら、スグルのいる現在はキン肉族の陽と転じた時代

「そして お前は今 それに見合った役目を この世で次々と 果たしている」


ここからラーメンマンの意外な告白が始まります。


「確かにネメシスは 正義の魂を キン肉族に殺され 完璧への転生を 余儀なくされた かわいそうな超人だ」
「しかし奇しくも ここにもうひとり 死にかけていた 正義の魂を」
「キン肉族に救われ 完璧への転生を 思い留まった幸福な 超人がいることも そのひとつ…」


「“聖なる完璧の山”に渡り 完璧超人入りを果たそうと していた その男の名は…」


「ラーメンマン」


ラーメンマン完璧超人になろうとしていた!?

初登場から30年以上経って判明した衝撃の事実!?

話的に超人オリンピックの頃の話だと思うのですが、ちゃんとその頃の風貌になっているのが芸が細かいです。

ネメシスの対戦相手がスグルでもウォーズマンでもなくラーメンマンになったには少々違和感があったのですが、ここへ来て一気に必然性が生まれました!!(スゲェ…)

はたして、ラーメンマンの過去に何があったのか!?

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