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悪魔超人のホープ

2015.07.12 (Sun) Category : ゆで(新作『キン肉マン』)

(本文は8月8日に書いています)

だいぶ間が空いた上、本文を書くのもかなり遅くなってしまいましたが、Web連載の『キン肉マン』の感想です。


サイフォンリング1Fで繰り広げられる、バッファローマンとガンマンの一戦。
悪魔将軍の檄を受けて正義と悪魔の間のしがらみを捨てて戦うことにしたバッファローマンは、本来持っているポテンシャルを全開にします。
しかしガンマンはそのバッファローマンをも上回る力を見せ、彼の命ともいうべきロングホーンの片方を叩き折りました。
はたして、バッファローマンはこの強すぎる相手を倒すことが出来るのか…?




というわけで、バッファローマンのロングホーンが1本折られちゃいました!?
「しょっちゅう折れてるだろ!」とツッこみたいところですが、大概の場合は試合に関係ないアクシデントで体全体に大きな衝撃を受けた時で、他にはドクターボンベの手術で切り落としたりとか、本人がベキッと折ったりとか。要するに、試合中の気合が入っている時のバッファのロングホーンを折るのは並大抵のことではないのです。悪魔将軍やヘルミッショネルズや知性チームだって、バッファをズタボロにすることは出来ても、ロングホーンを折ってはいないだろ?
その「ロングホーン折り」にこれまで唯一成功していた超人は、目の前で起こった光景を見て茫然とします。

「かつてオレが全身全霊を込めて やっと 一本折ることができた あの角を… まさか腕の力だけで折り取るとは!」

ウォーズマンの場合、最後の力でバッファローマンの心臓を狙ったら避けられて、結果的に命中したロングホーンを折ることに成功したのですが、全ての力を込めていたからこそ折る事ができたのです。(なお、試合には負けました)
それを通常発揮する力だけでやってみせたガンマンに、スグルもウォーズマンも戦慄を感じてました。

当のバッファローマンも相当ショックだったようで、ガンマンの猛攻を防ぐことが出来ません。

しかし―

悪魔であり正義超人でもある自分の本当の力を出すことに決めたバッファローマンは、すぐにショックを振り払いました。たぎる闘争心は目の前のガンマン撃破に燃え上がり、全力でぶつかっていきます。

そんなバッファローマンとの戦いに楽しささえ感じるガンマン。

「その おびただしい出血量と引き換えに パワーの最大値も上げてくる!」
「どこまで上がるのか この私も見たくなってきたぞ」
「さあ どんどんパワーを上げろーーーっ」

バッファローマンの方も戦いが楽しくなってきたようで、あくまで正面からぶつかって来るガンマンの姿勢を讃える言葉を口にします。
この前に戦ったグリムリパー(サイコマン)がトリッキーなことばかりしてたので、余計にそう感じたのかも?

賛辞の言葉に「私は ただ正直に闘いたいだけだ」と、当然のように言うガンマン。
そんなガンマンを見て、バッファローマンは疑問の言葉を投げかけます。

「だが そんな性格をしてるあんただけに ひとつ疑問がある…」

「なんだーーーーっ!?」

「なぜ その〝真眼〟で あの武道…  いや 超人閻魔を見ようとしない?」

「!」

ガンマンという超人を深く理解できたからこそ、よけいに腑に落ちなかったことを指摘するバッファローマン。
我々読者としても、ガンマンの能力や「ウソがきらい」な性格だと判明した頃から疑問に思っていたことに、遂に触れられる時が来ました。


「あんたのその真実を見通す眼があれば 今の超人閻魔が昔に比べて どれほど変わってしまったか  実は わかるんじゃないのか」

「そ…それは…」

バッファの指摘に、これまで見せたことのない動揺の挙動を見せるガンマン。
やはり、何かを隠している…?

「あんた 実はいいヤツだ だからこそ 今すぐ見てほしい あそこで見ている… あいつをその眼で!」

しかしガンマンは、呼びかけるバッファの言葉を遮ります。自分は〝あやつ〟のことを信頼してるから、〝真眼〟で見る必要などない。その行為そのものが〝あやつ〟を疑っているという侮辱になるからだと。

怒りに燃えるガンマンに、バッファは尚も呼びかけますが…

「違う あんたほど正直で誠実な男が 気づいてないはずは ないだろう!?  将軍様が あの男を見限った時点で すでに何かが変わってしまっていたことに!」

「だまれ 何も知らぬド下等がーっ」

問答を終わらせようと、完璧・漆式奥義エルクホルン・テンペストを繰り出すガンマン。
バッファローマンはロングホーンを回転させ、敢えて突っ込んでいきます。それにより、直撃は免れたバッファローマン。苦し紛れの行動に、偶然は続かないと再びエルクホルン・テンペストを放つガンマン。

「これは偶然じゃねぇ 全て計算のうちだーーーっ!」

弾ぎ飛ばされた際に残った方のロングホーンをコーナーポストに引っかけ、弧を描いて隣のコーナーへ飛ぶバッファ。かつてウォーズマン戦で見せたロングホーン・ブーメランを思い出させます。
そして、〝真眼〟で自分を照らすように煽ります。

「今からバッファローマン様のとっておきを お見舞いしてやるぜーっ!」

次から次へとコーナーポストを移動するごとにスピードが増していき、まさしくハリケーンとなるバッファローマン。
その彼の望みどおり、〝真眼〟で常に位置を捉え続けるガンマン。

決着の時が来ました。

「これがオレの……」

「嘘偽りない」

「全力だぁぁーーーっ!」

最大の力で向かって来るバッファローマン。
その姿を捉えようと顔を向けるガンマン。
しかし、その方角にはストロング・ザ・武道がおり、ガンマンは〝真眼〟で〝あやつ〟を見てしまいます!?
一瞬だけのことでしたが、それで技の入りが遅くなったガンマン。
必殺のエルクホルン・テンペストも、MAXの力になる前にバッファローマンと激突することに。

そして炸裂するバッファローマンの「新奥義」!!
その名も、ハリケーン・ギガブラスターーーーッ!!
その威力は凄まじく、エルクホルンが粉々になり、キャンバスに激突したガンマンの体がそのまま埋まっていくほどでした。

試合終了! バッファローマンの勝利です!!


ガンマンが〝あやつ〟を〝真眼〟で見てしまったのが勝負の分かれ目でしたが、そのことはバッファが狙って仕向けたのか、それとも偶然だったのか?
直前に「計算のうち」とか言ってたので、たぶん前者でしょう。
多少ズルみたいに思わなくもないですが、全力なら勝ってたかも知れないとガンマンの株を保てますし、バッファがクレバーな戦略を見せたとも言えるので、まあよし!
当のガンマンさんも、この結果の納得してるようですし↓

「シャババ… 「よもや この私がド下等ごときに… 負ける日がやってくるとはなぁ」
(中略)
「お前と私の勝敗を分けた理由は ただひとつ…  お前は一片の曇りもなく嘘偽りなしに闘った! だが私は… ひとつ…嘘をついた  だから負けた!」

自分が嘘をついていたと認め、相手の勝利を当然の結果だと讃えるガンマン。最後までいいキャラしてます。
そうそう。↑のセリフを言った後、バッファローマンの名前を口にしたのもまたよかった。

「あんた今 オレの名を!?」

「シャバババ 私の記憶に名を刻んだド下等は お前が初めてだ 光栄に思うが…よい…」

バッファローマンは最後にガンマンの「ついた嘘」について聞くのですが、「言うな!」と一喝されます。〝あやつ〟に対する疑念、〝真眼〟で見てしまった真実。しかしそれを口にしないことが、ガンマンの譲れない一線だったのでしょう。
代わりに〝土〟のダンベルを授けることで、彼の勝利を祝うガンマン。ジャンクマンに対するペインマンと同じく、ガンマンはバッファローマンみたいな超人と出会う為に長い時を生きてきたと悟ったのかも知れません。


こうして、圧倒的に強すぎる超人ガンマンは最期を遂げました。
始祖はみんなそうですけど、強さというカリスマと、〝あやつ〟やゴールドマンに対する思い、シンプルかつストレートな魅力があります。
『キン肉マン』という一度完結した作品の続編から登場するという、既存のキャラ達に比べて影が薄くなりかねない存在のキャラ達なのに、ここまで魅力を発揮するとは凄すぎます。


さて、ガンマンの最期は、他の試合にどんな影響を及ぼすのでしょうか?

サイフォンリング3Fでは―

(信じられん あのガンマンが… 下等超人に負けて死んだだと?)

そう心の中で呟くジャスティスマン。
ゴールドマン(=悪魔将軍)が選んだ道の先に、今の結果があるとでも思ったのでしょうが…

「あまりナメないほうがいいぜ 下等超人の力をな!」

「そうだな 確かな裁きのためにもな」

「バケモノ」じみた相手を倒すのが「正義超人の闘いの醍醐味」とまで言ってのけるテリーマンを前に、冷静に〝裁き〟を下そうとします。
動揺しつつもそれを面に出さず、考え事をしながらもテリーの攻撃をいなすジャスティス。やっぱり強いよ、〝裁きの神〟は!!


続いて、サイフォンリング4F。
ブロッケンJr.をクラッチで固めながら、サイコマンは言います。

「あらあらガンマン 下等超人に負けてしまうとは 恥ずかしい…」
「散々 ド下等だなんて下品なお言葉を 連呼しておきながら その体たらく」
「格闘能力の高さだけは 買っていたんですがねぇ その取り柄さえ活かせないとは 死んで当然の報いですよ」

あまりの言いように、敵ながら怒りの声をあげるブロッケン。(クラッチを極められながら)

「な…なんだその発言は テメーら 仮にも仲間じゃねぇのかよ!」

その問いかけに、事もなげに返すサイコマン。(クラッチを更に極めながら)

「仲間? なんですかそれは?」
「まぁ確かにガンマンさんを連日おちょくるのは ヒマつぶしにはいい 娯楽でしたけどねぇ」
「私たちはお友達ごっこで 世の中を運営しているわけじゃないんです」
「そこが あなたたち下等超人との違いなんですよ おわかりですか その低能なオツムで?」

相変わらず性格の悪いサイコマンですが、本人なりにガンマンを気に入っていたとか、彼なりに世の中を動かそうとしているとも取れなくもない発言。
まああまり期待しない方がいい気もしますが、コイツも完璧始祖。退場するまでにイメージが良くなる可能性もありそう。

それはともかく―

「グォアア~~~ッ」 グキビキグキ

大丈夫か、ブロッケン!?
次にスポットが当たるまでに倒されてるなんて勘弁してくれよ!


そしてサイフォンリング2F。
ラーメンマンは、格上のガンマンが倒されたことを知ってもただの一糸の乱れも見せないネメシスの精神力を、「感心を通り越して 違和感すら覚える」と称します。
「力ありて生き残る者は評価され 力なくして死んだ者は忘れ去られる それが完璧超人界の摂理だからだ」と、ロビン戦の時と同様の態度を見せるネメシスは、更に驚きの真実を告白します。


「その生き様に賛同して… 私は正義超人であることを放棄した!」

いや、読者はみんな知ってるけどね。



「フッ…そうか そうなると やはりきさまは?」

「ああ すでにこの容姿から お察しのとおり… 私はかつて あのくだらぬキン肉族の一員だった そして その血筋の絆を捨てた男だーーーっ!」

いや、読者はみんな知ってるけどね。


ともかく、正義超人達にとっては信じられない事実。特にスグルは、キン肉族が純粋な正義超人ばかりの一族ではなかったことにショックを受けてます。
(ついさっき将軍様が言ってたように)祖先であるシルバーマン自身が元は完璧超人だったのだから、完璧超人魂を継ぐ子孫が現れたとしてもなんの不思議もないとネメシスは、指摘。
それでもスグルは、シルバーマンの転身以降に正義超人からの離脱者が出ており、それを王である自分が知らなかったことに狼狽します。

王にすら一族の闇を隠蔽する、それこそがキン肉族という「烏合の衆のやり方」だと嘲笑うネメシス。
まあ、アタル兄さんのこととか、豚と間違われて捨てられたスグルとか、ロクな一族ではないのは否定しませんが(^^;)

その時、技を決められていたラーメンマンが、腕を抜いて脱出。

「ようやく お前に隙ができた! 完璧超人始祖の死には 動揺せずとも… キン肉族のことになると心の乱れがわずかに見えたーーー!」

さすがはラーメンマン。鮮やかに脱出して一撃加えました。


ガンマン戦直後にジャスティスマンにスポットが当たってその回が終わったので、そのままテリーVSジャスティスになるのかと思いきや、次の回は前半ブロッケンVSサイコ、後半はラーメンVSネメシスが描かれました。3試合の状況を一度見せ、それから改めてラーメンVSネメシスが描かれることとなりました。
次の回以降、ネメシスの口から次々にキン肉族の新事実が語られるのですが…
それはまた別の記事で感想を書きます。

今回はこんなところで。

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