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「逃げるよりマシかなって、思っただけさ」

2019.03.01 (Fri) Category : 食玩(『ガンダム』)

(本文は3月6日、7日、13日~16日に書いています)
食玩「FW GUNDAM CONVERGE」の紹介。
今回は、2月22日と同じく「FW GUNDAM CONVERGE#14」から。
前回の記事でもちょっとだけお見せしたF90 ガンダムF90を紹介します。

ガンダムF90とは?
映画『機動戦士ガンダムF91』の公開前後の時期に、『F91』の設定年代である宇宙世紀0123年頃を扱った作品がプラモデルやゲーム、漫画等で発表されました。
その1つが『機動戦士ガンダムF90』で、プラモデルで商品展開し、漫画作品も2つありました。
その『F90』の主役メカが、型式番号 F90のガンダムF90です。
他にも、スーパーファミコン用ソフト『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』の前半の主人公メカとしても登場してたりしてます。

正面
MSとしてのガンダムF90の最大の特徴は、全身のハードポイントに様々なオプションパーツを取り付けることで、あらゆる局面に対応できることです。ミッションパックと呼ばれるオプションは様々な仕様の物が用意されており、それらを作戦に応じて付け替えます。
長距離侵攻用の「アサルトタイプ」が「Aタイプ」、支援用の「サポートタイプ」が「Sタイプ」といった感じで各仕様はイニシャルで呼ばれ、アルファベットの文字数と同じ26種類のミッションパックがあるといわれています。といっても名前以外は詳細不明の物も多く、F90の後継機となる機体が装備する物も含まれていますが。
他のF90の特徴としては、宇宙世紀0120年以降主流となっていくダウンサイジングされた機体の先駆けであること、OSに疑似人格型プログラムが搭載されていること等で、いろんな意味で実験機らしい面があるといえます。

角度を変えて
様々な仕様を持つF90ですが、今回の商品はミッションパックを装備していないノーマルのF90です。といっても、このノーマルの状態でも充分に高性能ですが。
武装はバルカン砲とビームサーベル、両手にビームライフルとシールドを装備と、極めてオーソドックスです。

ビームライフル
設定では最新式ですが、スタンダードな仕様のライフルです。
ミッションパックを使用する関係でこの基本装備を持たないことも多い、ということが逆に特徴になってるかも知れない?

シールド
形状、カラーリング、マーキングと、どこを取ってもカッコいいシールドです。
ストレートなヒロイック要素が強い盾は『ガンダムシリーズ』では意外と珍しいです。

ビームサーベル
バックパックにサーベルのグリップが2本装備されています。
やはり使用するミッションパック次第で、サーベルは使わなかったりします。

アップで。
顔は標準的な「ガンダムタイプ」といった印象。
「ヘの字」スリットや2門のバルカン、他にも背中のランドセルに2本のサーベル、そして手にはライフルとシールドと、そのシルエットは初代ガンダムを思わせるものがあります。この時点(1990年)で存在している他のガンダムや、直後に登場するF91よりも初代に似ています。
『0080』のMSと同じくデザインのリメイク的な面もあったのでしょうが、設定上は「伝説の機体」である初代ガンダムにあやかったものだと思われます。
余談ですが、ガンダムF90の開発スタッフの1人として元ホワイトベースクルーのジョブ・ジョンが劇中に登場しています。



ロールアウトされたガンダムF90は2機。
…ミッションパックは26種もあるのに、本体が圧倒的に少ない(-_-;)
画像では2機の色は同じですが、実際は1号機2号機は違うカラーリングです。

今回の商品のカラーリングはF90 1号機
『機動戦士ガンダムF90』の主人公のデフ・スタリオンがテストパイロットとして搭乗。平和な時代に突然起こった戦いに巻き込まれ、なし崩し的に正規パイロットとして戦うことになった彼の苦悩も物語の見どころの1つ。
この時点で完成していたミッションパックは「A(アサルト)」「S(サポート)」「D(デストロイ)」の3つのみだったようで、『F90』劇中ではあまり使用していません。格納庫内で「A」をテストで装備したのみで、後は装備した状態のデータがモニター上に表示されたぐらいです。
3タイプ全てを決戦の場に持ち込んだものの、大気圏突入時と火星着陸直後に強襲されたこともあって、使用に耐えられるパーツが激減。デフは残されたパーツを混載させる形で装備したので、最終決戦に向かうF90は「A」「S」「D」の3タイプが入り混じって装備されていました。
そのイレギュラーぶりと、使い終わった装備を次々と排除して最終的にノーマル仕様に戻っていく展開がカッコいいのですが、それについてはミッションパックが付属する商品で語りたいと思います。

ガンダムF90 2号機。
デフと同じくテストパイロットであるシド・アンバーが搭乗。違いはパープルを基調とした塗装パターンであること、そしてOSにプログラミングされた疑似人格コンピューターの種類。
2号機は、通常のMSの3倍の機動性を発揮するといわれる擬似人格コンピューター「Type-C.AIII」を搭載しています。(一方の1号機は、敵機の動きを先読みするような動きをする「Type-A.R」が搭載されています)
2号機はテスト飛行中に火星から来た敵勢力に強奪され、そのことがきっかけでデフ達は火星へ向かうことになります。
画像は1号機のカラーリングそのまんまだけど気にすんな!


敵の手に堕ちた2号機は改造され、最終決戦でデフのF90の前に立ち塞がります。


ガンダムF90 火星独立ジオン軍仕様
外装の殆どを変更され、ショルダーアーマーにジオン系のスパイクが施されたり、ガンダムの象徴的な「Vの字」アンテナが取り外されたりしました。また、カラーリングは赤いものに染められ、上述の「Type-C.AIII」の能力もあって、その戦いぶりには〝赤い彗星〟を思い浮かべさせられました。
画像はとりあえず1号機のアンテナをはずして、ネガポジ反転させたり色を調整してみた。実際はもっと手が加えられているぞ!

激戦の末、1号機は2号機を倒しました。デフ達が無事に火星を脱出したところで『F90』の物語は終わるのですが、設定ではその後1号機は元の姿に修復され、回収された2号機は大幅に改造されてガンダムF90Ⅱに生まれ変わりました。F90Ⅱはプラモデルで発売されたものの、当時は漫画作品等に登場することは無く、その活躍は後年の漫画作品まで待つことになります。
この他に、(おそらく予備パーツ扱いだった物を)新たに組み立てたガンダムF90 3号機があり、その3号機を基にしてガンダムF90Ⅲ クラスターガンダムが完成しました。F90Ⅲもプラモデルで発売され、こちらは読み切り漫画の主役機として活躍が描かれました。


ここでガンダムF90が戦った敵勢力について。
『F90』での敵勢力は、先ほども名前が出てきた「火星独立ジオン軍」。又の名を「オールズモビル」
その名のとおり火星を本拠地としたジオン軍の残党で、構成員は旧ジオン軍の生き残りとその子や孫の世代、そして彼らに与することを選んだ者達です。「オールズモビル」と呼ばれるだけあって、彼らが使用する兵器はかつてのジオン公国軍の機体を模したMSやMAでした。
主役機が初代ガンダムを思わせる姿で、敵は旧ジオン軍の機体を模しているので、なかなか絵になる組み合わせです。
古くさい見かけに反して連邦のMSに対抗できる(といっても、連邦側も30年近く使っているジェガンタイプがメインだけど)性能を発揮してますが、旧来の機体の近代化を続けたのか、中身はそれなりに新しい設計なのか、それとも低スペックの機体をパイロットの技量でカバーしているのかはイマイチ不明。
外見も、2つある『F90』の漫画版でそれぞれ違っており、ゲーム『フォーミュラー戦記0122』に登場するデザインとも違います。まあ、設定上は同じ外見なのかも知れませんが。(『フォーミュラー戦記』は『F90』の2年後が舞台なので、別機種になってる可能性も)
一方で、BB戦士でガンダムF90が発売された頃のバンダイの商品カタログで、一年戦争時のジオン軍のMSが(「オールズモビル」と見立てられて)F90と対峙している写真があったりしました。
古い時代の機体と戦わせても何となく絵になるところがF90のいいところ♪
とりあえず今回は、同じ「#14」収録のザク2機と戦わせてみた。(アンテナははずして、いちおう個性を抑えております)


F90再び!!
ゲーム『フォーミュラー戦記0122』は、『F90』の2年後が舞台。再び活動を開始した「オールズモビル」を討つ為、再びF90は戦場に戻ります。

機体は同じF90 1号機ですが、パイロットは若き連邦兵のベルフ・スクレットに変わります。
この時期にはミッションパックがかなり開発されていたらしく、常時どれかを装備。ゲーム中では「A」と「D」のどちらかを選択して出撃、途中から新開発された「V(ヴェスバー)」タイプも追加。イベントで大気圏突入用の「P(プランジ)」タイプも使用されています。
他に、ゲームでは没となったようですが砂漠戦専用に「H(ホバー)」、水中戦用に「M(マリン)」の2タイプも新たに設定されています。尚、『フォーミュラー戦記』のコミカライズ作品ではHタイプを使用している場面があります。


謎のガンダムF90 予備機?
先ほど述べたコミカライズ作品では漫画オリジナルの展開として、ベルフの上官が実は敵のスパイで、F90を奪って逃走を計る展開があります。その際、彼のF90をベルフの乗るF90が追撃し、奪われたF90は爆発するのですが…
その奪われた方のF90が詳細不明?
ベルフのF90が1号機で、2号機はF90Ⅱに改造済み、3号機は後にF90Ⅲになるわけで…(※3号機とF90Ⅲの設定ができたのはゲーム発売よりもだいぶ後だけどね)
ゲームにも無い漫画オリジナル独自の展開なので設定の食い違いができたのだとは思いますが、とりあえず3号機用に使ったもの以外にも予備パーツがあって、それを組んでいたと考えたらあり得るかな?
画像はノーマルのF90同士が対峙してますが、この時ベルフの機体はVタイプ装備をしていました。


クロスボーンの影…?
復活した「オールズモビル」の背後には、クロスボーン・バンガードの存在があった――!?
「オールズモビル」に出資し、彼らの活動の支援をしていたクロスボーン・バンガード
物語の後半その存在が明らかになり、CV軍の機体も登場。
CV軍の目的は、「オールズモビル」の活動を隠れ蓑にし、来るべきフロンティアサイド侵攻の準備を極秘裏に進めることでした。映画『機動戦士ガンダムF91』の前年の時代設定なので、その後映画の展開に繋がっていくことになります。
とりあえず、XM-02 デナン・ゲーと戦わせてみました。ゲームにはXM-01 デナン・ゾンXM-04 ベルガ・ダラスしか出ないのですが、ゲーはその両機の間の機体(形式番号的にいって)なので、デナン・ゲーが出てきたとしてもおかしくはありません。


守れ!!味方機!!
『フォーミュラー戦記』というと、思い出すのは理不尽なぐらい難易度
ゲームオーバーとなる条件もやたら多く、
  • 自機の撃墜
  • 自機のエネルギー切れ
  • 母艦の撃沈
  • 友軍の全滅
といった具合。
自機や母艦は仕方ないとしても、味方機の全滅というのはわりと理不尽。その味方機が強くないのに、ほっとくとドンドン前に出ちゃうから、守るように行動しなくてはなりませんでした。
というわけで、ヘビーガンと並べてみました。
うーむ。ジェガンとも並べればよかった。


F91への系譜。
上述のF90のミッションパックの1つ「Vタイプ」「ヴェスバータイプ」。新型火器試験仕様であり、F90Vの戦闘で得られたデータを基にして、F91が装備するヴェスバー(V.S.B.R =Variable Speed Beam Rifle(可変速ビームライフル) )が完成しました。
他にもF90Vはビームシールドや試作型のビーム・ライフルを装備。それらがF91へと受け継がれることに。
F90→F90V→F91と開発が進むわけですが、パイロットのベルフもF90(A及びD)に次いでF90V、そして最終的にガンダムF91に搭乗します。
そのF91は後に映画『F91』でシーブック・アノーが乗ることになる機体と同一なのですが、バイオコンピュータが搭載されていないので未完成状態でした
ゲームのプレイヤー視点でいうと、完成型ではないとはいえ当時大人気だったガンダムF91に、映画の主人公よりも先に乗ることができるわけで、非常に興奮しました。


F91、そしてその先へ…
今度はクロスボーンガンダムX1と並べてみました。
奇しくもこの3機は、漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』で並び立つことになります。
(F91のみオリジナルではなく別機体(量産型のハリソン・マディン専用機)。他2機も、クロスボーンは故障・喪失箇所を他機種からのパーツで補ってきた継ぎはぎ状態、F90も近代化改修を繰り返していたので、オリジナルそのものの部分はかなり減っていますが)


最後に、今後発売される商品の情報です。
5月発売予定の「FW GUNDAM CONVERGE#15」には、『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』より「ガンダムRXF-91改」こと シルエットガンダム改 がラインナップされています。
ここ最近の「コンバージ」は宇宙世紀0123年前後の機体が次々と発売され、非常に嬉しいです。ますますの充実を期待しています。

(3月18日追記。今日、7月発売の「#16」が公開されたのですが、デナン・ゾンが2つのカラーリングでラインナップ!!  更に『シルエットフォーミュラ』後半の主役機のネオガンダムまでラインナップ!! 嬉し過ぎます!!) 


以上、食玩「FW GUNDAM CONVERGE#14」ガンダムF90でした!!

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