「お前は、彼女を愛しているのか?」
2011.02.25 (Fri) | Category : アニメ(銀河美少年)
『STAR DRIVER 輝きのタクト』第20話の感想、その2です。
今回は、この話のキー・パーソンのヘッドと議長についてです。
その日、綺羅星十字団の議長ことカタシロ・リョウスケは、夕焼け空に浮かぶ虹を見ました。
「久し振りに見るな・・・
・・・いや、いつも見ているか」
・・・いや、いつも見ているか」
そこからの景色は、バニシングエージの集う部屋に飾ってある絵と同じ構図です。
同じように夕焼け空に浮かぶ虹。
ただ一つ違うのは、その絵には1人の女性が描かれていることでした。
バニシングエージのメンバーの集う部屋で、自分にくってかかるキャメルスターを軽くあしらうヘッド。
その飄々とした様を見て、議長はヘッドと出会った日のことを思い出しました。
その当時、大学の研究室にいた議長=リョウスケは、親から与えられた生き方しか出来ない自分に憂鬱な毎日を送っていました。
彼にはソラという許婚がいたのですが、それもまた親同士が決めた関係でしかありません。
ある雨の日、ソラを迎えに車で南十字学園へ行ったリョウスケ。
「こうして毎日迎えに来るあなたって、ほんと律儀ね・・・」
ソラもまた、自分の生き方にうんざりしていたようです。
帰り道の途中、ソラが車を止めさせ、外に出ました。
そこには、雨上がり後の虹が夕焼け空に浮かんでいました。
「こんな綺麗な虹、初めて見た・・・」
見とれているソラ。
横に並んだリョウスケも、無言で虹を見つめています。
ふと、彼の手に触れようとしたソラでしたが、とまどいの末、止めました。
そこへ
「こりゃまた見事な虹だねぇ」
見慣れないその青年は、虹に向かってキャンバスを置き、描きかけの絵に手を加え始めました。
そこに描かれていた夕焼けの景色を見た瞬間、リョウスケはその絵の虜になってしまいました。
絵に虹を描き加えている青年は、ツナシ・トキオと言いました。
こうして、3人は出会いました。
それがどんな結末を招くとも知らず・・・
このトキオこそが後のヘッドなのですが、この前ミヤビ・レイジと呼ばれていたハズ。
その謎はこの後、判明しました。
トキオの絵に魅せられたリョウスケは、暇が出来る度にトキオに会いに行くようになります。
ちょうど、ヘッドの素性を知らない頃のスガタが、よく会いに行ってのと同じですね。
「絵っていうのはいいね。その瞬間にしかない思いを永遠に残すことが出来る」
そう語るトキオの絵に記されたサインが「R」であることに気づいたリョウスケ。
「ツナシ・トキオ君。どうして、君のサインが「R」なんだ?」
「俺の雅号だよ。未来の名前、かな? そんなことより、ソラさんを俺に描かせてくれないか? あの美しさは永遠に残す価値がある」
つまり、ミヤビ・レイジは本名ではないわけです。
この作品、二つの顔と名前を持つ人物がやたら多いですが、ヘッドだけは3つあるわけですね(^_^;)
(2月26日訂正。シモーヌも3つですね。シモーヌ(仮の名前)、パメラ(本名)、セクレタリー(仮面着用時)。他にもいそう(^^;))
それからしばらく、ソラをモデルにしてトキオは絵を描くようになりました。
トキオのアトリエにいる2人を、遠くから眺めるリョウスケ。
彼の赤く輝く左目に見えていたのは・・・
リョウスケは絵を描いてる2人の前に行き、「これから3人で街に繰り出さないか?」と誘いかけます。
しかし、ソラは何も言わずに出ていきました。
そのソラの取った行動も、リョウスケには分かっていたことだったのかもしれません。
その場に残ったトキオは、隠していた本性を現すように喋りだします。
「この島の地下で発見されたオリハルコン素体を、人知れず復活させようとしている秘密結社はやはり存在していた」
さらに、リョウスケがそのメンバーであることを指摘するトキオ。
リョウスケは、所詮は親から与えられたシルシを持つ者の役割でしかなく、自由に生きるトキオが羨ましいと返します。
しかし、
しかし、
「与えられた者が、与えられなかった者を妬む、か」
トキオの正体は、シルシを受け継ぐ家に生まれながら、父からシルシを与えられなかった者でした。
トキオの正体は、シルシを受け継ぐ家に生まれながら、父からシルシを与えられなかった者でした。
彼が雅号を名乗ろうとしているのも、持って生まれた家の名を捨てたいからでしょう。
そのトキオの家の名は、ツナシ。
つまり、タクトと同じです。
そしてタクトは、祖父より直接シルシを継承してました。
段々とヘッドの謎が明らかになってきました。
「お前はソラをどう思っているんだ!? ソラはお前のことを・・・」
1人憤るリョウスケ。
彼の周りには、トキオの描いたソラの絵が並びます。
そこにあるソラの顔や姿は、彼には決して見られないと感じるものばかりでした。
(この場面、ソラの裸婦画が次々と出てきます)
やがて、リョウスケの左目から血が滴り落ちていました。
後の綺羅星十字団となる秘密結社の地下アジトに行くリョウスケ。
そこには何とトキオの姿がありました。
「なぜお前がここにいる?」
しかし、逆に尋ねます。
「その眼帯はどうしたんだい?」
トキオが不思議そうに言う通り、リョウスケは左目に眼帯を付けていました。
トキオは、島の何処かから連れてきたシルシの持ち主マキバ・シンゴと一緒に来ていました。
当時から組織に参加していたシブヤ・ヒデキ(後のプロフェッサーシルバー)曰く、
「島に伝わる王と巫女以外のシルシは、持ち主の意思によって継承可能なはずです」
「島に伝わる王と巫女以外のシルシは、持ち主の意思によって継承可能なはずです」
トキオは、シンゴからシルシを譲ってもらうつもりだったのです。
一方のシンゴも、
「こんなモノ欲しければ、トキオにあげるよ・・・」
「こんなモノ欲しければ、トキオにあげるよ・・・」
この場面、トキオとシンゴがやたら親密そうにしてます。
トキオはシンゴの肩に手を回している(※肩を組むではない)し、そのシンゴは赤面してますし。
次回予告で見た時、シンゴが長髪ってこともあって、普通にシンゴは女性かと勘違いしました(^^;)
まあ、よく見たら、少しはだけた胸元から男性だと分かるのですが。
ただ、この2人の親密さは、普通ではないと感じられるものでした。
シルシに対する執念以上に、トキオの手腕に驚くリョウスケ。
シンゴと共に立ち去ろうとしているトキオの名を呼びとめると、
「今日から俺はトキオじゃない。ミヤビ・レイジだ」
時間を現在に戻して、キャメルスターのギメロックが倒された後日。
学園の中庭ではしゃいでいるタクト、ワコ、スガタの3人を見つめるリョウスケ。
かつての自分達の姿を重ねて見ているのでしょうか?
その時、ワコが持っていた懐中時計(前回タクトがプレゼントしたアレです)を見て、リョウスケは驚きます。
再び時間を過去に戻します。
レイジ(トキオ)にシルシを譲る前に、シンゴは眠りに落ちてしまいます。
この眠りが、スガタが陥りかけた「決して目覚めない深い眠り」と同じなのかは分からないのですが、とにかくシンゴは今も眠り続けています。
シルシを譲ってもらえず嘆くレイジ。
「トキオは、あの男の子に随分ご執心ね・・・」
そう言ってきたソラに、リョウスケは言います。
「俺はあいつの描く絵が好きだった・・・」
しかし、今のトキオは野心にとり憑かれて変わってしまったと続けるリョウスケ。
「最近よく思うんだ。俺たち3人は、どうしてもっと仲良くできなかったのかなって。どうしてこんな関係になってしまったんだろうな・・・」
「何言ってるの・・・?」
「子供がいるんだろ?」
「トキオは別に何も変わってしまったわけじゃない・・・!」
話しているうちに、リョウスケに怒りをぶつけ出すソラ。
「あなたは私のことなんて、何とも思ってなかったでしょ!?」
しかし、リョウスケは静かに言います。
「そんなことはない」
それでも収まらないソラに、リョウスケはいつも持ち歩いていた懐中時計を渡します。
その時計の蓋を開いて驚くソラ。
そこには、ソラの写真が入っていたのでした。
このしばらく後、ソラは島を離れて、生まれた子をトキオの実父に預けた後、行方知れずになったそうです。
ここまで読んだら分かると思いますが、タクトはトキオとソラの間に出来た子だったわけです。
懐中時計は、ソラからタクトの祖父を通してタクトの手に渡り、今はワコが持っています。
タクトやワコにとっては大切な思いが詰まった物でも、実は苦しみの象徴だった、何とも皮肉な話です。
さて、ヘッド(レイジ、トキオ)がタクトの父だと分かったわけですが、それなら何故外見が若いままなのでしょう?
15年以上経ってるわけですから、リョウスケと同じように年を重ねてないのはおかしいです。
また、ベッドに眠るシンゴの姿を見て、ギンタは「シンゴとかいう少年」と称していました。
シンゴもまた、年をとっていないようですが・・・
その謎を解くヒントが、この後語られます。
ソラが去った後、リョウスケはレイジに自分のシルシを譲ると言い出します。
「こんな力は、俺には必要ない。この力のおかげで、俺には最初からお前とソラのことが全て見えていた」
そう、リョウスケの赤く輝いていた左目は、第1フェーズによるものだったのです。
「見えていた」というのが、未来の映像が見えるか、人の心が読めるのか、その辺ちょっと分からなかったですが(^_^;)
しかし、その「見える」ことがリョウスケを苦しめていたのでした。
「見たくなかった・・・。何とか見ないように足掻いていたら、この片目は見えなくなったんだ・・・」
その後、ヘッドはサイバディ・レシュバルに乗ってタクトのタウバーンと戦ったところから考えて、レシュバルは元々リョウスケがスタードライバーだったのでしょうね。
そのレシュバルも破壊されたのですが、ヘッドにはまだ、シンゴにシルシを譲ってもらうという手が残されています。
「もうすぐ目覚めるそうだよ」
ベッドに眠るシンゴを見ながら、ヘッドはリョウスケに言います。
「どうしても思い出せないんだ。ソラは、いつ島からいなくなったんだ?」
そういうヘッドを見て、リョウスケは思います。
(やはりお前は、心がゼロ時間に捕らわれている・・・)
ヘッドとシンゴが年をとっていないのは、「心がゼロ時間に捕らわれている」ことが関係あるのでしょうか?
以上であらすじは終わりです。
次々といろいろなことが明らかになりました。
ヘッドがタクトの父だったというのには驚かされましたし、これまでどういう人物か分からなかった議長のこともよく分かりました。
タクトの母、ベッドで眠る人物、綺羅星の母体となる組織は15年前にはもう存在していた、王と巫女以外のシルシは自由に譲渡できる、
懐中時計の元の持ち主はリョウスケ、島中にある「R」とサインがある絵はヘッドが描いたものだった、などなど
で、そろそろ言わせて下さい(^^)
ヘッドの最低さが、予想の斜め下過ぎでした!!
だってさー、婚約者のいる女性に手を出した(間男)と思ったら、その人ほったらかしにして男に走った(そうとしか見えない)んだぜ?
しかも、女の人の間に子供作ってるしさ。
元々が、父にシルシを譲ってもらえなかったからというコンプレックスから来た行動かも知れないけど、何で譲ってもらえなかったのか、理由を考えるとロクなことが浮かびません(^_^;)
「トキオは何も変わってない」ってソラが言ってましたが、確かに変わってないです。
始めから自分の欲望に忠実なのでしょうね(^_^;)
ソラさんも、まあ悲惨な人ですね。
窮屈な毎日を送っていて、密かに思いを寄せている許婚は何を考えているか分からない。
島外から来た男に心を奪われたのはいいが、結果は上記の通り。
挙句の果て、元々好きだった許婚は、実は自分のことを好きだと分かっても、もう遅すぎたわけですからね。
まあ、リョウスケの方がかわいそう過ぎるので、あまり同情できませんが。
そのリョウスケは、ホントいい男過ぎます。
何もかも失っても、それでも恨み言を言ったりしてないですからね。
あ、自分の持ってたシルシに対してはあると思いますが。
まあ、自分がソラに対して取ってた行動が招いたと思っているとか、それだけトキオの絵に魅せられたとか、ソラのことをそれだけ好きだったとか、いろいろあるのでしょうね。
うさんくさそうな外見からは想像もつかないくらい魅力があるとは、いかにも『スタドラ』らしいです。
しかし、若い頃のリョウスケがイケメン過ぎてビックリしました(^_^;)
彼ら3人とタクト達3人は似ています。
許婚同士の前の2人の前に現れた島外から来た男、と言う点で。
ただ、決定的に違うのは、タクトはスガタの不器用な優しさをワコに教えてあげてるんですよね。
タクトはトキオとは違い、祖父からシルシを譲ってもらえましたが、それは親友アキオの輝いた生き様を見た、祖父曰く「輝きの欠片を見つけた」からですよね。
この辺がトキオとの違いなんでしょうね。
一つ気になるのが、タクトと若い頃のリョウスケって、髪型が似てたのですが、
これって、今回の話でミスリードを誘う為だったのでしょうか?
それとも、これからの話で、実は・・・? とかあるのでしょうか?
さて、次回予告の映像に、『スタドラ』一の問題児、あのサカナちゃんの姿がありました!?
ヘッドのことが「好きだった」と言ってたこのお方。
出番が無い間に、そのヘッドの株が下がりまくりですが、いま帰ってきてはたしてどうなるやら?
・・・もっとも、サカナちゃんに関しては分かってないことがまだまだ残っているので、それ次第では、ヘッド共々評価が一発逆転するかも知れません(^^;)
ともかく、感想その2はこれでおしまいです。
次回も楽しみです(^o^)/
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