「あの人達の心に、激しい憎悪を感じます。世界を滅ぼしても、有り余る程の憎しみを・・・」
2010.03.30 (Tue) | Category : 模型(ガンプラ旧キット)
続きです。
ヴァサーゴとアシュタロンのパイロットであるフロスト兄弟についてです。
ガロード達の行く手を何度となく阻む双子の兄弟。
自ら「宿命のライバル」と称するなど芝居がかった口調で話し、その正体を掴ませずにいたのですが、
実は新連邦のエージェントであり、ニュータイプを狙って行動していたのでした。
彼ら自身、兄弟同士でテレパシーを使って、どんなに離れた距離にいても意思の疎通が出来るという普通の人間が持っていない能力の持ち主でした。
しかし、さらに物語が進むと、そのテレパシー(ツインズ・シンクロニティ)はニュータイプの能力とは認められておらず(新連邦のニュータイプの定義ではフラッシュシステムに対応できることが条件)、
彼らは「カテゴリーF」(Fは fake=偽物 の意)の烙印を押された存在であることが判明します。
そのことを屈辱に思う彼らは、ニュータイプと呼ばれる存在を憎むようになります。
フロスト兄弟の本当の目的は、発見したニュータイプを新連邦に参加させることではなく、密かに抹殺すること、
そして、自らを認めなかった世界への復讐でした。
その為には手段を選ばず、多くの者達を犠牲にして新連邦の中枢にまで入り込み、遂には敵対する宇宙革命軍との戦争を引き起こさせます。
「次の戦争は、僕らが求めた戦争だ!」
フロスト兄弟の悲劇的なところは、ニュータイプとして認められなかったことではなく、能力になど関係なく彼ら自身を受け止めてくれる人間に出会えなかったことだと思います。
芝居がかった口調も、お互いしか信じられない彼らの虚勢だったのでしょう。
私が「ガンダムX」を好きな理由の一つは、登場人物の心理や行動原理が丁寧に描かれており、感情移入しやすいところです。
悪役であっても、やっていることは許されることではないですが、決してただの悪人ではなく、彼らもまた被害者なのではないでしょうか?
だからこそ最後の戦いで、ニュータイプの真実を知ったガロードが彼らに呼びかける言葉が重く感じられます。
「お前達もD.O.M.Eに触れれば!!」
しかし、彼らはその言葉を拒絶します。
「そんな必要はない」
今回の記事のタイトルに使っているティファのセリフが、彼らの心情を表しています。
結局最後には、「ニュータイプ」という言葉に囚われていた彼らは、「ニュータイプ」でも何でもないガロードによって、その野望を阻まれました。
全てを壊して新しい世界を作るという未来を望んだ彼らは、ティファやみんなが幸せに暮らせる未来を望んだガロードに敗れました。
物語のラストで、実は彼らが生き延びていたことが分かるシーンがあります。
コミック版ではもっと分かりやすい形で、生きていたことが描かれています。
旅立つガロードとティファを遠くから見つめる二人。
「これからどうするのか?」と尋ねるオルバに
「宿命のライバルだからな」と答えるシャギア。
「宿命のライバルだからね」と続けるオルバ。
正体を隠してガロードに近づいていた時とは違い、今度は本当の意味で、ガロードの宿命のライバルになろうと決めたのではないでしょうか。
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Title : 無題
印象的なセリフの多かったガンダムXですが、ガロードやティファ、フロスト兄弟はガンダムVSガンダムNEXTPULSでもよくしゃべってくれますよ。
個人的には、ゲーム専用のエピオンとヴァサーゴのやり取りが好きです。
「あの機体、エピオンに似ている!?」
「あの機体、ヴァサーゴか!?・・・いや、違う」
そんな感じですw
チームフリーデンの3機では、実レオパルドが好きでした。
ダブルオーではデュナメス。
どうやら、コマンダー系のリアル路線なメカがヒットするようです。
まぁ、自分の適性はスナイパーとソードマン。両極端だなぁwww
以前先輩にそんなハナシをしたら、
「お前にピッタリの機体がある。それはズサだ!」
といいましたねぇ。今でもおぼえてます。
「遠距離はミサイルポッド、近距離になったらポッドを分離してサーベルで斬る、機体の色もゴールド(イエローですよね)、パイロットもマシュマーでお前好みだ!」
・・・・・・ええ、否定はしませんとも。懐かしのバトルコマンダー(スーファミのシュミレーションゲーム)では、ズサよく使いましたしw
居合 2010.03.31 (Wed) 20:57 編集
Title : 無題
>機体の色もゴールド~
↑これは言った覚えがないのだが・・・
当時、居合氏の考えた「理想のMS」が、
・変形した形態で高機動で飛んでくる
・重火力で攻撃
・使い切った火器を切り離し、軽量化して接近戦をこなす
みたいな感じだった(と捉えた)のですが、
ぶっちゃけ「エピオン+ヘビーアームズ」って感じで、そんな相反する機体があるかと思いつつ、いろいろ考えていたのですが・・・
「変形する」がネックだよな、ガーベラ・テトラみたいな増設プロペラント・タンクとかじゃダメだし・・・
と考えた末に、意外と身近なところにその「理想の機体」がありました。
・変形→ブースターと合体できるぞ!
・重火力→ミサイルの塊だぜ!
・軽量化して接近戦→撃ち終わったミサイル・ポッドは切り離せ。軽くなるし、全高も小さくなるぜ。最後の武器はビーム・サーベルだ!
ついでに、パイロットは二枚目のエースパイロット。
初めは試作機、後に量産化されたので、試作機の「特別製」と量産機の「渋さ」、両方を兼ね備えている。
といいことづくめだったので、自信を持って居合氏にオススメしたのがズサだったわけですね。
・・・いやがりやがりました(-_-;)
とはいえ、年に一度は話題にしてくれるあたり、意外と気に入ってくれたのかも知れません(ホントか?)
あれから十年以上経ちました。
その間に、居合氏の「理想のMS」が新たに登場しているかも知れません。
今度、調べてみよう・・・
CANDY 2010.04.01 (Thu) 01:44 編集
Title : 無題
先輩、先輩っ。
スサノオとかありますよ!黒くてサムライ仕様。
ガンダム限定じゃなければ、コードギアスの斬月なんか好みです。
スパロボならダイゼンガーとか。
でも、エピオン好きですよ、エピオンw
居合 2010.04.01 (Thu) 22:07 編集
Title : 無題
十数年の間に、居合氏の「理想」自体も変化したのか(^_^;)
とりあえず察するに、
・変形にはこだわらない
・高機動は一定時間のみのブースト系でもよい
・飛び道具は最低限で充分
・とにかく格闘重視
・黒い
こんなところですかね。
これなら該当する機体(MSでなくてもいいんだし)は多そうです(^_^)
CANDY 2010.04.02 (Fri) 18:11 編集