「君には地球圏の代表として見届けてもらう。ヴェイガンの世界をな」
2012.06.28 (Thu) | Category : アニメ(『ガンダムAGE』)
『機動戦士ガンダムAGE』第37話の感想です。
(本文は6月28日に書いています)
ザナルドに捕らえられたキオは、ガンダムAGE-3と共に火星へと連れて行かれます。
火星圏最大のコロニー〝セカンドムーン〟
そこでキオを出迎えたのは、ヴェイガンの指導者フェザール・イゼルカントでした。
イゼルカントはキオに、自らの目で火星の人々の現状を見るよう促します。
イゼルカントの思い、火星圏で出合った人々、蔓延する死の病。
様々なことを知って、キオのヴェイガンの認識は変わり始めていきます・・・
(本文は6月28日に書いています)
ザナルドに捕らえられたキオは、ガンダムAGE-3と共に火星へと連れて行かれます。
火星圏最大のコロニー〝セカンドムーン〟
そこでキオを出迎えたのは、ヴェイガンの指導者フェザール・イゼルカントでした。
イゼルカントはキオに、自らの目で火星の人々の現状を見るよう促します。
イゼルカントの思い、火星圏で出合った人々、蔓延する死の病。
様々なことを知って、キオのヴェイガンの認識は変わり始めていきます・・・
というわけで今回の舞台は火星圏、それもほとんどが〝セカンドムーン〟です。
火星にはフォボスとダイモスの2つの衛星が存在するのに、あえて「セカンドムーン」=「第2の月」と名づけるあたり、ヴェイガンの人々の地球を恋焦がれる気持ちが窺えます。
おそらく移民当初は、火星のことも「第2の地球」だと思っていたのでしょうね(ToT)
(「moon」という単語自体に「衛星」という意味もありますが、火星の新たな衛星という意味で名づけたなら「サードムーン」となるハズ)
キオは、そのコロニー〝セカンドムーン〟へ連れて来られました。
「ここが、ヴェイガンの基地・・・」
そのキオの発言を否定するザナルド。
「違う! ここはヴェイガンそのものだ!」
しばらく後の場面で説明があるのですが、この〝セカンドムーン〟は取り残された人々が作り上げたコロニーだそうで、指導者イゼルカントも住んでいれば、ヴェイガンの軍隊もいます。
そういう意味では、まさに今のヴェイガンの象徴である、ザナルドはそう言いたかったのでしょう。
でも、考えてみれば・・・
地球圏の人々は、火星の軍人も一般人も、MSや戦艦も、軍隊も、政府も、基地も、コロニーも、火星そのものも、〝ヴェイガン〟という単語1つで呼んでいますが、
彼らからしてみれば、火星圏こそが自分達が作った独立国家〝ヴェイガン〟なわけで、「ヴェイガン」を「火星軍」って感じに言ったキオの発言を訂正させたくなったのかも知れません。
(たぶん、シャナルアさんみたいなヴェイガンとの内通者まで〝ヴェイガン〟呼ばわりされてるのも不愉快に思っているんでしょうね(^^;))
そして、コロニー居住区へと続くモノレール発車場でキオを待っていたのは・・・
「ようこそ、ヴェイガンへ」
なんとイゼルカント様ご本人!?
指導者自らが出迎えるあたり、それだけ今回の作戦は重要ということでしょうか?
(続きは夕方以降に書く予定です)
(ここからは7月2日に書いています
例によって、既に次の第38話が放送されている状況ですが、管理人はまだ見ていません(^^;))
イゼルカントがキオにこれからさせようとすることは、今回の記事の題名に使ったセリフの通りです。
キオは捕虜の身ではありますが、ヴェイガン建国後に初めて(?)火星圏に足を踏み入れた人間。
だから、地球圏代表として火星圏の現状を見届けてもらう為、ヴェイガンの指導者として挨拶に来た、ということでしょう。
キオが代表者扱いされるのは単に「地球の人間だから」と取れますが、仮に捕らえたのが他の地球の人間でも同じようにしたのかは分かりません。
何しろキオはヴェイガンにとっての脅威であるガンダムのパイロットであり、(ヴェイガンがどう思ってるかは分かりませんが)アスノ家の人間でもあるわけですから。
また、キオの出自に関係なく、子供だからという可能性もあります。
純粋さがある子供なら、ヴェイガンの考えに染めることも難しくないでしょうからね。
しかしイゼルカント様本人は、キオを直接見て、それらとは違う感情を抱いたようです。
モノレールから降りた際、キオの身を預かりに来た兵達に「いや、その必要はない」と言って、自ら預かることにしました。
こんな言い方をしているあたり、当初の予定ではモノレールを降りた後はキオを部下達に引き渡す予定だったのでしょう。
しかも、「この者は特別な存在だからな」とまで言ってます。
さらに、自分の住む屋敷へと連れて帰り、お供してきた衛兵達も屋敷内の一室の入り口で帰します。
何をしでかすか分かったもんじゃない捕虜(それも敵対心むき出し)を家に入れ、警備をする者達も下がらせたわけですが、何故そんなマネをするのか?
(一応後で、睨んでくるキオに「私が指示すれば、数秒後に君の命は無くなる」と警告してますが、それも本当にするのか怪しい。むしろ、そんなつもりは無さそうな感じです)
イゼルカントに促され、扉を開けるキオ。
そこには、イゼルカントの妻・ドレーネがいました。
「その子なのですね? 地球圏で捕らえたという少年は。・・・あっ!? こ、この子は・・・」
キオの顔を見て、驚いた表情となるドレーネ。
「気がついたか」
イゼルカント様は、妻の反応を予想していたようです。
キオには何がなんだかさっぱり分からないようですが・・・
「僕をこんな所ま連れてきて、どうする気!?」
ふて腐れた物言いですが、イゼルカント様は満足そうに言います。
「やっと、口を聞いたな」
「あっ・・・!?」
それで前述のキオにやらせようとしていることを話すのですが、とりあえず今日は着いたばかりということで、用意している部屋で休むように言います。
直後に部屋に入ってきたメイドの女性マリーは自分のことをお世話係と言い、キオを用意してある部屋まで案内します。
妙に豪華な部屋に案内されたキオ。
「あれ? あなた・・・。ああ~! だから、この部屋を使っていいわけね♪」
キオの顔をあらためて見たマリーは、何かに気付いたようです。
「そっくりなのよ、あなたの顔♪」
マリーが指差す先には、3人の人物が写った写真が飾った写真立てがありました。
写真に写っているのは、若い姿のイゼルカント、今とあまり代わらない姿のドレーネ、そしてキオそっくりの少年でした。
そう。
イゼルカントがキオを特別扱いしたり、ドレーネがキオを見て驚いたりしていたのは、キオがずいぶん前に亡くなったという彼らの息子のロミにそっくりだったからです。
驚くキオ。
ともかく、マリーが着替えを用意してくれると言うので、これで囚人服ともおさらばです(^u^)v
しかし、その服は・・・
次の日、イゼルカント様に連れられ、またもモノレールで出発するキオ。
マリーが用意してくれた服を着ているのですが、その服は写真のロミが着ていた物でした。
そのせいか、満足気なイゼルカント様(^^)
キオはまだまだ不安そう。そして、不満そう。
「僕を何処に連れて行くの?」
そんなキオに、イゼルカント様は質問をします。
「君は、何故我々が地球連邦に戦争を仕掛けたか、その理由が分かるか?」
「地球を奪うつもりなんでしょう?」
「地球を『奪う』? 奪うのではない、『取り戻す』のだ。
我々はどんなことをしても、故郷である地球に帰ると誓った。人としての尊厳を取り戻す為に」
「でも、多くの人達を殺した! どんな理由があったって、そんなことをしていいハズがない!」
正論を言うキオに、イゼルカントは言います。
「お前に分かるか? 死の宣告を受けて、それでも生きていく人々の苦悩が」
そして、イゼルカントは火星のここまでの歴史を語ります。
内容自体は第1部でギーラ・ゾイが語った内容とほぼ同じですが、火星圏の人々の姿が映し出されるので、余計に重く感じられます。
第1部のフリットは、それでも戸惑いを振り切ってヴェイガンを憎もうとしたのですが・・・
「でも、それでもヴェイガンは・・・」
孫のキオは、反論の言葉が出てきません。
頭ではヴェイガンの仕掛けた戦争は悪いものだと理解しても、ヴェイガンの人々に同情もしてしまったのでしょう。
そうこうしている内に、とあるステーションで停まりました。
御付の士官がキオに、連絡用端末とIDカードが入ったバッグを渡します。
それがあれば、街の施設を利用したり必要な物が買ったりできると言うのですが、どうしてそんな物を持たされるのか?
「お前にはここで降りてもらう」
イゼルカント様に1人で降りるよう言われ、戸惑うキオ。
もちろん、後でちゃんと迎えに来てくれるそうで、キオも安心(^^;)
「キオ。ここでヴェイガンを知るのだ。お前達が憎んでいる敵の本当の姿をな」
こう仰るイゼルカント様でした(^^)
こうして始まった、キオの社会見学。(一応、監視付きだそうです)
ヴェイガンの一般人が住む街へと繰り出します。
街は中東アジアにあるような石造りの建物で占められ、そこに住んでる住人達も中東アジアっぽい装束をまとっています。
これまでヴェイガンって、銭湯みたいな浴場とか陣羽織みたいな軍服とか和風テイストなイメージが強かったので、ちょっと意外な感じ。
というかこの場面だけ見てると、前作『ガンダムOO』を見てるような気がしてきます(^^;)
街をキョロキョロ見ているキオ。
露骨によそ者オーラ丸出しです(^_^;)>
で、お約束のように、キオを怪しい目で見つめ、後をつける者が現れました。
その人物は、出っ歯の少年でした。
出っ歯の少年は建物の陰に身を潜め、近づいて来たキオに一気に近づいてバッグを強奪しました!?
敵国のど真ん中に1人で放り込まれたキオにとって、連絡用端末とIDカードが入ったバッグを失うのは命綱を手放すのと同じ。
必死に追いかけるキオ。
しかし、今日始めて来たから街のことなど何も知らないキオと、裏の裏まで知ってそうな泥棒少年では、キオに不利過ぎます。
ようやく追いつめた!と思ったら、少年にさっとかわされ、しかも行く手には下り階段。
勢いが止まらず、キオは階段下に転げ落ちます(>_<)
ここまでするつもりはなかったのか、「ヤバ・・・!!」って感じに冷や汗かいてる出っ歯少年。
でも、逃げるチャンスだからとその場を去ろうとします。
その時―
「こういうことはやめろって、言ってるだろ!」
たくましそうな少年・ディーンが現れ、出っ歯少年を一喝しました。
「へヘヘへっ・・・」
どうもすいやせんディーンさん、って感じで、バッグをディーンに預けて申し訳なさそうに去っていく出っ歯。
引ったくりに手を染めてるような相手に言うことを聞かせられるあたり、ディーン少年はこの辺りの子供のまとめ役的存在と思われます。
この後の場面で、ヒドイ目に遭ったキオを気遣いつつも「みんな必死に生きてる」とそれなりに出っ歯をフォローしてました
(なお、出っ歯少年はこの後まったく出てきません。それなりにキャラが立ってたのですが、やっぱりデザインどおりモブキャラだったようです(^^;))
「ほらよ!」
まだ起き上がれないでいるキオに、バッグを投げて渡すディーン。
しかし、階段から落ちた時にケガしたことを知り、キオを自分の家に連れて行きます。
キオがディーンの家でケガの手当てをしてもらっているいると、奥の部屋から少女が現れました。
儚げな感じのするその少女は、ディーンの妹のルウだそうです。
遂に出ました、ヴェイガン側のヒロイン!!(^o^) (フラムは?)
「ふ~~~ん。なかなかいいかも♪」
ルウは、他所のコロニーから来た(と思っている)キオに興味を持ったようで、帰ろうとするキオに「一緒にご飯食べていかない? お話しよう♪」と誘います。
その食事シーンですが、スープとパンのみです。
そのパンもルウが千切ってキオに渡してたり、口にしたキオが微妙な表情になってたので、少量であまり味がしない(※マズイではない)食事なのだと思われます。
驚いてるキオの内心など知らず、ルウは大はしゃぎで「何処から来たの?」とか「学校って楽しい?」と質問攻め。
しかし、ついキオが「君は学校、行ってないの?」と聞いた為、「お前!?」とディーンは語気を強めます。
兄を諌めつつも、ルウは寂しそうに言います。
「知ってるでしょ? この病気は寝てないとダメだから・・・」
「マーズレイのせいさ」
そう呟くディーン。
モノレールの中でイゼルカント様から聞かされた死の病。
その病気を患っている者が、いまキオの目の前にいます。
この後の場面でルウはベッドに横になり、家庭用の検査機(?)で体調管理をしています。
「で、そっちはどうなんだ?」
よもやキオが地球の人間だと思っていないディーンは、世間話的に聞き返します。
「あっ、えっと・・・」
キオは自分の失敗に気付きました。
ここは火星であり、そこでの常識など殆んど知らないということに。
他所のコロニーから来たと思われているようですが、昨日火星につれて来られたばかりのキオに答えられるわけがありません。
幸いディーンの方が、答えたくないほどヒドイ現状なんだろうと受け取ってくれたので、何とかなりましたが(^3^;)
「あいつ、もう長くないんだ・・・」
「え・・・!?」
ルウが、もってあと三ヵ月の命だと聞かされ、驚くキオ。
「不公平だよな・・・。何も悪くないのに死ななきゃならないなんて・・・」
同じ人間同士なのに、自分達ヴェイガンの人間だけが死の病にかかる環境にいることを呪うディーン。
そんなディーンは、イゼルカント様が地球に帰してくれる日が来ると信じています。
「行ってみたいよなぁ・・・地球・・・」
そう呟くディーンに、地球の人間であるキオは何も言えませんでした。
そうこうしているうちに、バッグの中の呼び出し端末が鳴り始め、キオがお帰りになる時間になりました。
「ありがとな。妹があんな楽しそうな顔、久し振りに見たよ」
お礼の言葉を言うディーンでしたが・・・
「だけどさ、これ以上、俺達に関わらないでほしいんだ・・・」
その言葉に驚くキオに、ディーンは言います。
「友達とかできるとさ、あいつ自身が辛くなるだけだから・・・」
そこへ、2人の話が聞こえていたルウが起き出して来ました。
「お兄ちゃん!! ・・・なんでもう来ちゃいけないの? 私だって、もうすぐ死ぬことぐらい分かってる! だけど・・・だけど・・・」
もっといろんなことをしたいと言う妹に、ディーンは言います。
近いうちに必ず訪れる最期の時。思い出が増えれば増えるほど、その時がもっと怖くなると。
辛そうに言う兄に、それでも妹は言います。
「それでもいいんだ・・・。それでもいいから、少しだけでもちゃんと生きたいんだよ・・・」
泣き崩れるルウを気遣うディーン。
「・・・・・・」
キオは何もしてあげることが出来ませんでした。
その日の夜、イゼルカントの屋敷に戻ったキオに豪華な食事(と言っても3品だけですが)が振舞われます。
しかし、キオがちっとも手をつけようとしないので、夫妻もマリーさんも心配してます。
ディーン達の暮らしぶりや病気のことを知ったので、自分が豪勢な物を口にするのが躊躇われてしまったのでしょう。
食事後、イゼルカント様はキオに尋ねます。
「この火星圏が、どんなところか分かったか?」
「・・・・・・」
キオの沈黙が答えだと見て、イゼルカント様は話を続けます。
「人は愛する者を求め、家族に温もりを求める。ここでは、そんな純粋な気持ちでさえも踏みにじられる。ヴェイガンの民は失うことの恐れから、『愛する』という感情を押し殺して生きている」
でも、ディーン達は違っていた、と言うキオ。
彼らは、悲しいくらい感情的な面を見せていました。
「確かに子供の頃は皆、人間的な感情を持っている。しかし、成長するに連れ、人を愛さなくなる。家族にも恋人にも執着しなくなる。人を心から愛することを恐れるようになるのだ」
まだ人らしく生きたいと言っていた妹のルウ、諦めが入っていた兄のディーン。
2人の言ってたことを思い出せば、イゼルカントの言ってることは実感できます。
「聞こえるか? 人としての感情を奪われた民の叫びが。我々は死ぬことが悲しいのではない。人として生きられないのが悲しいのだ」
『愛することに執着しない』
だから第2部でゼハートは、ロマリーに恋愛感情を抱かなかったのでしょう。
アセムのことは「好き」(※ヘンな意味ではない)だと言ってましたが、ロマリーのことはマシルやシャーウィーと同程度にしか見てなかったと思われます。
そういえばマジシャンズ8は、男女混合の部隊なのにまったく恋愛関係は無かったですね。
むしろ同性同士で仲が良かった(※ヘンな意味ではない)印象が強いです。
ゼハはダズさんと仲が良かったし、レイルにも慕われています。
ファントム3の〝兄弟たち〟の結束力も忘れてはいけません。
だからザントさんみたいに、故郷に残した妻のことを案じる人の方が珍しいのでしょうね。
(でも、この人の場合も「(年老いた妻の)最期の時が近い」からという理由がありました)
そういえば、いかにも「ツンデレキャラになります」って感じで鳴り物入りで登場したフラムも、ゼハのことを認めるようになりましたが、一向にデレませんね。
やはり、恋愛感情というものが抑圧されているのでしょう。
(まあ実の所、ツンデレにしちゃうと、ウットビットとキャラが被るからというのが理由なのかも知れませんが)(ホントかよ?)
あと、ヴェイガンの人達が『愛することを恐れる』のは、コールドスリープで愛する人との時間がズレてしまうというのもあると思われます。
延命や戦力の温存など様々な事情があるとは言え、同じ時を歩めないというのは辛いでしょう。
先述のザントさんもそうですが、イゼルカント夫婦もそうです。
(この会話中、イゼルカント様の妻ドレーネは、少し離れた場所から悲しそうな目で見つめていました)
話をキオとイゼルカント様に戻します。
「お前には伝えておこう。・・・私の真意を」
イゼルカントの〝真意〟。
それは―
「これはただの戦争ではない。
私はこれまでの攻撃ですべて、生き延びるチャンスを与えてきた。
生きることの意味も知らず過ごす地球種に、私は問うてきたのだ。
生きる意志を、生きる価値があるかどうかを」
これは、ロストロウラン攻防戦で地球・ヴェイガン双方の人間が疑問に思ったことの答えです。
やはりイゼルカント様は地球種に試練を与え、試しておられたようです。
しかし、その問いについて考えるよりも前に、フリットのように憎しみを募らせる者もいれば、保身しか考えずにヴェイガンに近づく者もいます。
また味方側でも、忠誠を誓っているゼハートやレイル達ですら、真意を知らないので作戦に疑問を持っています。
それさえも含めての問いかけだというのでしょうか・・・?
キオとの話の後、イゼルカント様は部屋で休んでおられました。
昼間ルウがやっていたように検査機(?)で体調をチェックしているので、イゼルカントも病に蝕まれているようです。
「あなた・・・。私はあの子がロミに見えて・・・」
横になったままのイゼルカント様に、ドレーネは言います。
「分かっている・・・。運命のいたずらというものか」
イゼルカント様は薬を飲んでますが、これがディーンが言ってた「少しだけ長く生きられる」薬なのでしょう。
完治は出来ず、わずかに延命効果があるだけ。
しかし、一般人には回ってこない高価な代物なので、飲めるだけでもありがたい物です。
立場的に最先端の治療を受けているであろうイゼルカント様ですが、医者の話ではタイムリミットはあと6ヶ月―
火星の時間単位って、ええと公転が何日で、火星の1日が地球の何時間でしたっけ?
あ、でも、地球に憧れているので、地球基準の単位を使っているのかも?
じゃあ、地球の時間であと6ヶ月、でいいのかな?(^^;)
2人は、セカンドムーンを街を見ながら話します。
「なんとしても、持ちこたえねばな。エデンの扉をこの手で開かねばならんのだ」
「ええ。その為に私たちは生きてきたのですから。・・・ロミを亡くしたあの日から」
この後のシーンで、イゼルカント様はゼハートと通信でお話しています。
ゼハは例の原子模型みたいな要塞にいるのですが、そう言えばこの要塞の名前が前回判明しましたね。
ラ・グラミスとか言うそうです。
ともかく、ガンダムAGE-3を奪ったことで連邦の戦力増強の計画を阻止できたと報告するゼハ。
「プロジェクト・エデンはファイナルフェーズに移行します」
そんなゼハートに激励の言葉を言って、通信を終えるイゼルカント様。
「はい、イゼルカント様!」
そう言って、振り返るゼハート。
カメラ目線を視聴者にキメます(^^;)
では最後に、今回のザナルドさんをダイジェストでお届けします。
鹵獲したガンダムAGE-3の分析しているところに顔を出します。
イゼルカント様の指示による、ヴェイガンの技術を加えた新たなるガンダムを作る計画があることを知ります。
「ガンダムですらも生み出せるものなのか? EXA-DB、スゴイものだな・・・」
おっと? EXA-DBのことは既に知ってたようです。
ゼハートと違って教えてもらってないと思っていたのですが、違ったようです(^^;)>
で、EXA-DBに収められた戦争に関する情報はこの時代とは比べ物にならないらしく、もしそれを手に入れたらこの戦争は・・・
「終わると言うのか!! それほどまでのものとは・・・!!」
ガッツポーズで大興奮です(^o^)/
「イゼルカント様! あの少年はガンダムのパイロットです!!」
キオの尋問をイゼルカント様に進言。(パワフルなポーズで)
でも、「まだその時ではない」と却下され、ガックリ(>_<)
「うう・・・」
いつもだったらここで、「おのれ、ゼハート~!!」って感じで人のせいに出来るのにね(^o^;)
「納得できん!! イゼルカント様は、あの少年に心をお許しになり過ぎておられる!!」
司令室でふんぞり返ってるザナルドさん。
机に足を乗せ、両腕を頭の後ろで組んだそのポーズは・・・・おっぴろげジャンプ!?
「確かに。子供とはいえ、敵のパイロットですからね」
同意する副官。
彼は今回から名前が判明しました。ダラス・レギンと言います。
「監視を怠るな! いざとなればあの少年の命、我々の手で・・・!!!」
机を拳で打ち付けるザナルドにビビりつつも、ダラスも同意します。
そして、今回の最後の場面は、いよいよ誕生するヴェイガンのガンダムを見つめるザナルドさん達でした。
「ヴェイガンが作り出す、新たなるガンダムか・・・」
戦争が新たな局面を迎えることを予感させるラスト。
ばっちりキメたザナルドさんでした(^o^)
今回の話で、キオは初めてヴェイガンの人々と直接関わりあいます。
融通が効かなそうな堅物な軍人達や、こそ泥出っ歯少年とか、よそ者を遠巻きに見ている街の人間もいましたが、本質的には優しい心を持った普通の人間です。
イゼルカント夫妻、マリーさん、ディーンとルウと出会うことで、キオはそのことを実感します。
(視聴者的にも、イゼルカント様が案外怖くなさそうて、ドレーネもいい人っぽくって、ニコニコ笑顔の優しそうなマリーさんが出てきたので、安心して見られました(^o^))
それにしても、イゼルカント様です。
ヴェイガンの人間には優しいが、それ以外の人間には冷酷なのかと思ったらそうではなさそうでした。
もちろん、この戦争で打ち立てた計画で、多くの犠牲者が出ています。
ヴェイガンに憎しみを募らせるようになった人間も多くいます。
それでも・・・それでも、子供に優しい姿を見ると、何か妥協点が見つかりそうな気がするんですよね。許されるかどうかは別として。
そんなイゼルカントのことをキオは「恐ろしい魔王」だと聞かされていたわけですが、はたして印象は変わるのでしょうか?
(そういえば、「魔王」呼ばわりした張本人のフリットは今回は出番がありませんでした。今週いつもの殺伐さが無かったのは、そのせいか?(^^;))
ドレーネは第3部の最初の話で初登場したものの、それ以降出番がなかったのでどういうキャラかまったく分からなかったのですが、今回ようやく分かりました。
老人のイゼルカントには不釣合いな美女なので、てっきり黒幕か何かかと思ったのですが、そんなことはなく、普通にいい人っぽいです。
というか、キオの案内された部屋にあった写真を見たところ、この夫婦も昔は年齢がつり合っていた(あと、外見も。昔のイゼルカント様、男前(^^))ようです。
80年前に地球圏に調査に行ったということから、イゼルカントはコールドスリープでかなりの時間を停めてきたのでしょうが、夫よりはるかに若い外見のドレーネはそれ以上の時間を停めていたものだと思われます。
それなりの年に見えるお世話係のマリーよりも、生まれたのは早かったと思われます。
推測ですが、夫が寿命で死んでも計画を引き継げるように、ほとんど歳を取ってないのではないでしょうか?
息子ロミを亡くし、地球を取り戻す計画を立てて、それからずっとコールドスリープしていた。
しかし、イゼルカントが老い、死の病を患ったので、第3部の時代にようやく目を覚ました、とか?
今は一緒にいられますが、もはや夫とは共に時間を歩んでいるとは言えない。
ヴェイガンの悲劇を一番体言している人物なのかも知れませんね。
それにしても、キオが2人の子供に似ているというのは単なる偶然なのでしょうか?
案外、いまだ謎多いアスノ家のルーツに関わることかも知れません。
ベタなとこだと、キオのひい祖母ちゃん(フリットの母)がイゼルカント様と兄妹とか?
そういえばイゼルカント様はヴェイガンの指導者ですが、どういう経緯でその地位に就いたのかも謎です。
もともと火星の名門の出だとか、或いは、火星圏開発プロジェクトのリーダーだったとか。
そんな感じで、政治力とか技術力とかの何かしら実力を買われてリーダーに選ばれた、とかですかね。
取り残された人々には精神的支柱が必要だったでしょうけど、その大任を見事果たして来たのでしょう。
ともかく、キオもいろいろ考えるようになりました。
今週の最後の登場シーンは、出会った人達が言ってたことを部屋で1人で思い出すとういうものでした。
次回は、父アセムがキオを救出に来ます。
父との対面も気になりますが、ヴェイガンの事情、イゼルカントの真意を知ったキオがどう行動するのか、気になります。
火星にはフォボスとダイモスの2つの衛星が存在するのに、あえて「セカンドムーン」=「第2の月」と名づけるあたり、ヴェイガンの人々の地球を恋焦がれる気持ちが窺えます。
おそらく移民当初は、火星のことも「第2の地球」だと思っていたのでしょうね(ToT)
(「moon」という単語自体に「衛星」という意味もありますが、火星の新たな衛星という意味で名づけたなら「サードムーン」となるハズ)
キオは、そのコロニー〝セカンドムーン〟へ連れて来られました。
「ここが、ヴェイガンの基地・・・」
そのキオの発言を否定するザナルド。
「違う! ここはヴェイガンそのものだ!」
しばらく後の場面で説明があるのですが、この〝セカンドムーン〟は取り残された人々が作り上げたコロニーだそうで、指導者イゼルカントも住んでいれば、ヴェイガンの軍隊もいます。
そういう意味では、まさに今のヴェイガンの象徴である、ザナルドはそう言いたかったのでしょう。
でも、考えてみれば・・・
地球圏の人々は、火星の軍人も一般人も、MSや戦艦も、軍隊も、政府も、基地も、コロニーも、火星そのものも、〝ヴェイガン〟という単語1つで呼んでいますが、
彼らからしてみれば、火星圏こそが自分達が作った独立国家〝ヴェイガン〟なわけで、「ヴェイガン」を「火星軍」って感じに言ったキオの発言を訂正させたくなったのかも知れません。
(たぶん、シャナルアさんみたいなヴェイガンとの内通者まで〝ヴェイガン〟呼ばわりされてるのも不愉快に思っているんでしょうね(^^;))
そして、コロニー居住区へと続くモノレール発車場でキオを待っていたのは・・・
「ようこそ、ヴェイガンへ」
なんとイゼルカント様ご本人!?
指導者自らが出迎えるあたり、それだけ今回の作戦は重要ということでしょうか?
(ここからは7月2日に書いています
例によって、既に次の第38話が放送されている状況ですが、管理人はまだ見ていません(^^;))
イゼルカントがキオにこれからさせようとすることは、今回の記事の題名に使ったセリフの通りです。
キオは捕虜の身ではありますが、ヴェイガン建国後に初めて(?)火星圏に足を踏み入れた人間。
だから、地球圏代表として火星圏の現状を見届けてもらう為、ヴェイガンの指導者として挨拶に来た、ということでしょう。
キオが代表者扱いされるのは単に「地球の人間だから」と取れますが、仮に捕らえたのが他の地球の人間でも同じようにしたのかは分かりません。
何しろキオはヴェイガンにとっての脅威であるガンダムのパイロットであり、(ヴェイガンがどう思ってるかは分かりませんが)アスノ家の人間でもあるわけですから。
また、キオの出自に関係なく、子供だからという可能性もあります。
純粋さがある子供なら、ヴェイガンの考えに染めることも難しくないでしょうからね。
しかしイゼルカント様本人は、キオを直接見て、それらとは違う感情を抱いたようです。
モノレールから降りた際、キオの身を預かりに来た兵達に「いや、その必要はない」と言って、自ら預かることにしました。
こんな言い方をしているあたり、当初の予定ではモノレールを降りた後はキオを部下達に引き渡す予定だったのでしょう。
しかも、「この者は特別な存在だからな」とまで言ってます。
さらに、自分の住む屋敷へと連れて帰り、お供してきた衛兵達も屋敷内の一室の入り口で帰します。
何をしでかすか分かったもんじゃない捕虜(それも敵対心むき出し)を家に入れ、警備をする者達も下がらせたわけですが、何故そんなマネをするのか?
(一応後で、睨んでくるキオに「私が指示すれば、数秒後に君の命は無くなる」と警告してますが、それも本当にするのか怪しい。むしろ、そんなつもりは無さそうな感じです)
イゼルカントに促され、扉を開けるキオ。
そこには、イゼルカントの妻・ドレーネがいました。
「その子なのですね? 地球圏で捕らえたという少年は。・・・あっ!? こ、この子は・・・」
キオの顔を見て、驚いた表情となるドレーネ。
「気がついたか」
イゼルカント様は、妻の反応を予想していたようです。
キオには何がなんだかさっぱり分からないようですが・・・
「僕をこんな所ま連れてきて、どうする気!?」
ふて腐れた物言いですが、イゼルカント様は満足そうに言います。
「やっと、口を聞いたな」
「あっ・・・!?」
それで前述のキオにやらせようとしていることを話すのですが、とりあえず今日は着いたばかりということで、用意している部屋で休むように言います。
直後に部屋に入ってきたメイドの女性マリーは自分のことをお世話係と言い、キオを用意してある部屋まで案内します。
妙に豪華な部屋に案内されたキオ。
「あれ? あなた・・・。ああ~! だから、この部屋を使っていいわけね♪」
キオの顔をあらためて見たマリーは、何かに気付いたようです。
「そっくりなのよ、あなたの顔♪」
マリーが指差す先には、3人の人物が写った写真が飾った写真立てがありました。
写真に写っているのは、若い姿のイゼルカント、今とあまり代わらない姿のドレーネ、そしてキオそっくりの少年でした。
そう。
イゼルカントがキオを特別扱いしたり、ドレーネがキオを見て驚いたりしていたのは、キオがずいぶん前に亡くなったという彼らの息子のロミにそっくりだったからです。
驚くキオ。
ともかく、マリーが着替えを用意してくれると言うので、これで囚人服ともおさらばです(^u^)v
しかし、その服は・・・
次の日、イゼルカント様に連れられ、またもモノレールで出発するキオ。
マリーが用意してくれた服を着ているのですが、その服は写真のロミが着ていた物でした。
そのせいか、満足気なイゼルカント様(^^)
キオはまだまだ不安そう。そして、不満そう。
「僕を何処に連れて行くの?」
そんなキオに、イゼルカント様は質問をします。
「君は、何故我々が地球連邦に戦争を仕掛けたか、その理由が分かるか?」
「地球を奪うつもりなんでしょう?」
「地球を『奪う』? 奪うのではない、『取り戻す』のだ。
我々はどんなことをしても、故郷である地球に帰ると誓った。人としての尊厳を取り戻す為に」
「でも、多くの人達を殺した! どんな理由があったって、そんなことをしていいハズがない!」
正論を言うキオに、イゼルカントは言います。
「お前に分かるか? 死の宣告を受けて、それでも生きていく人々の苦悩が」
そして、イゼルカントは火星のここまでの歴史を語ります。
内容自体は第1部でギーラ・ゾイが語った内容とほぼ同じですが、火星圏の人々の姿が映し出されるので、余計に重く感じられます。
第1部のフリットは、それでも戸惑いを振り切ってヴェイガンを憎もうとしたのですが・・・
「でも、それでもヴェイガンは・・・」
孫のキオは、反論の言葉が出てきません。
頭ではヴェイガンの仕掛けた戦争は悪いものだと理解しても、ヴェイガンの人々に同情もしてしまったのでしょう。
そうこうしている内に、とあるステーションで停まりました。
御付の士官がキオに、連絡用端末とIDカードが入ったバッグを渡します。
それがあれば、街の施設を利用したり必要な物が買ったりできると言うのですが、どうしてそんな物を持たされるのか?
「お前にはここで降りてもらう」
イゼルカント様に1人で降りるよう言われ、戸惑うキオ。
もちろん、後でちゃんと迎えに来てくれるそうで、キオも安心(^^;)
「キオ。ここでヴェイガンを知るのだ。お前達が憎んでいる敵の本当の姿をな」
こう仰るイゼルカント様でした(^^)
こうして始まった、キオの社会見学。(一応、監視付きだそうです)
ヴェイガンの一般人が住む街へと繰り出します。
街は中東アジアにあるような石造りの建物で占められ、そこに住んでる住人達も中東アジアっぽい装束をまとっています。
これまでヴェイガンって、銭湯みたいな浴場とか陣羽織みたいな軍服とか和風テイストなイメージが強かったので、ちょっと意外な感じ。
というかこの場面だけ見てると、前作『ガンダムOO』を見てるような気がしてきます(^^;)
街をキョロキョロ見ているキオ。
露骨によそ者オーラ丸出しです(^_^;)>
で、お約束のように、キオを怪しい目で見つめ、後をつける者が現れました。
その人物は、出っ歯の少年でした。
出っ歯の少年は建物の陰に身を潜め、近づいて来たキオに一気に近づいてバッグを強奪しました!?
敵国のど真ん中に1人で放り込まれたキオにとって、連絡用端末とIDカードが入ったバッグを失うのは命綱を手放すのと同じ。
必死に追いかけるキオ。
しかし、今日始めて来たから街のことなど何も知らないキオと、裏の裏まで知ってそうな泥棒少年では、キオに不利過ぎます。
ようやく追いつめた!と思ったら、少年にさっとかわされ、しかも行く手には下り階段。
勢いが止まらず、キオは階段下に転げ落ちます(>_<)
ここまでするつもりはなかったのか、「ヤバ・・・!!」って感じに冷や汗かいてる出っ歯少年。
でも、逃げるチャンスだからとその場を去ろうとします。
その時―
「こういうことはやめろって、言ってるだろ!」
たくましそうな少年・ディーンが現れ、出っ歯少年を一喝しました。
「へヘヘへっ・・・」
どうもすいやせんディーンさん、って感じで、バッグをディーンに預けて申し訳なさそうに去っていく出っ歯。
引ったくりに手を染めてるような相手に言うことを聞かせられるあたり、ディーン少年はこの辺りの子供のまとめ役的存在と思われます。
この後の場面で、ヒドイ目に遭ったキオを気遣いつつも「みんな必死に生きてる」とそれなりに出っ歯をフォローしてました
(なお、出っ歯少年はこの後まったく出てきません。それなりにキャラが立ってたのですが、やっぱりデザインどおりモブキャラだったようです(^^;))
「ほらよ!」
まだ起き上がれないでいるキオに、バッグを投げて渡すディーン。
しかし、階段から落ちた時にケガしたことを知り、キオを自分の家に連れて行きます。
キオがディーンの家でケガの手当てをしてもらっているいると、奥の部屋から少女が現れました。
儚げな感じのするその少女は、ディーンの妹のルウだそうです。
遂に出ました、ヴェイガン側のヒロイン!!(^o^) (フラムは?)
「ふ~~~ん。なかなかいいかも♪」
ルウは、他所のコロニーから来た(と思っている)キオに興味を持ったようで、帰ろうとするキオに「一緒にご飯食べていかない? お話しよう♪」と誘います。
その食事シーンですが、スープとパンのみです。
そのパンもルウが千切ってキオに渡してたり、口にしたキオが微妙な表情になってたので、少量であまり味がしない(※マズイではない)食事なのだと思われます。
驚いてるキオの内心など知らず、ルウは大はしゃぎで「何処から来たの?」とか「学校って楽しい?」と質問攻め。
しかし、ついキオが「君は学校、行ってないの?」と聞いた為、「お前!?」とディーンは語気を強めます。
兄を諌めつつも、ルウは寂しそうに言います。
「知ってるでしょ? この病気は寝てないとダメだから・・・」
「マーズレイのせいさ」
そう呟くディーン。
モノレールの中でイゼルカント様から聞かされた死の病。
その病気を患っている者が、いまキオの目の前にいます。
この後の場面でルウはベッドに横になり、家庭用の検査機(?)で体調管理をしています。
「で、そっちはどうなんだ?」
よもやキオが地球の人間だと思っていないディーンは、世間話的に聞き返します。
「あっ、えっと・・・」
キオは自分の失敗に気付きました。
ここは火星であり、そこでの常識など殆んど知らないということに。
他所のコロニーから来たと思われているようですが、昨日火星につれて来られたばかりのキオに答えられるわけがありません。
幸いディーンの方が、答えたくないほどヒドイ現状なんだろうと受け取ってくれたので、何とかなりましたが(^3^;)
「あいつ、もう長くないんだ・・・」
「え・・・!?」
ルウが、もってあと三ヵ月の命だと聞かされ、驚くキオ。
「不公平だよな・・・。何も悪くないのに死ななきゃならないなんて・・・」
同じ人間同士なのに、自分達ヴェイガンの人間だけが死の病にかかる環境にいることを呪うディーン。
そんなディーンは、イゼルカント様が地球に帰してくれる日が来ると信じています。
「行ってみたいよなぁ・・・地球・・・」
そう呟くディーンに、地球の人間であるキオは何も言えませんでした。
そうこうしているうちに、バッグの中の呼び出し端末が鳴り始め、キオがお帰りになる時間になりました。
「ありがとな。妹があんな楽しそうな顔、久し振りに見たよ」
お礼の言葉を言うディーンでしたが・・・
「だけどさ、これ以上、俺達に関わらないでほしいんだ・・・」
その言葉に驚くキオに、ディーンは言います。
「友達とかできるとさ、あいつ自身が辛くなるだけだから・・・」
そこへ、2人の話が聞こえていたルウが起き出して来ました。
「お兄ちゃん!! ・・・なんでもう来ちゃいけないの? 私だって、もうすぐ死ぬことぐらい分かってる! だけど・・・だけど・・・」
もっといろんなことをしたいと言う妹に、ディーンは言います。
近いうちに必ず訪れる最期の時。思い出が増えれば増えるほど、その時がもっと怖くなると。
辛そうに言う兄に、それでも妹は言います。
「それでもいいんだ・・・。それでもいいから、少しだけでもちゃんと生きたいんだよ・・・」
泣き崩れるルウを気遣うディーン。
「・・・・・・」
キオは何もしてあげることが出来ませんでした。
その日の夜、イゼルカントの屋敷に戻ったキオに豪華な食事(と言っても3品だけですが)が振舞われます。
しかし、キオがちっとも手をつけようとしないので、夫妻もマリーさんも心配してます。
ディーン達の暮らしぶりや病気のことを知ったので、自分が豪勢な物を口にするのが躊躇われてしまったのでしょう。
食事後、イゼルカント様はキオに尋ねます。
「この火星圏が、どんなところか分かったか?」
「・・・・・・」
キオの沈黙が答えだと見て、イゼルカント様は話を続けます。
「人は愛する者を求め、家族に温もりを求める。ここでは、そんな純粋な気持ちでさえも踏みにじられる。ヴェイガンの民は失うことの恐れから、『愛する』という感情を押し殺して生きている」
でも、ディーン達は違っていた、と言うキオ。
彼らは、悲しいくらい感情的な面を見せていました。
「確かに子供の頃は皆、人間的な感情を持っている。しかし、成長するに連れ、人を愛さなくなる。家族にも恋人にも執着しなくなる。人を心から愛することを恐れるようになるのだ」
まだ人らしく生きたいと言っていた妹のルウ、諦めが入っていた兄のディーン。
2人の言ってたことを思い出せば、イゼルカントの言ってることは実感できます。
「聞こえるか? 人としての感情を奪われた民の叫びが。我々は死ぬことが悲しいのではない。人として生きられないのが悲しいのだ」
『愛することに執着しない』
だから第2部でゼハートは、ロマリーに恋愛感情を抱かなかったのでしょう。
アセムのことは「好き」(※ヘンな意味ではない)だと言ってましたが、ロマリーのことはマシルやシャーウィーと同程度にしか見てなかったと思われます。
そういえばマジシャンズ8は、男女混合の部隊なのにまったく恋愛関係は無かったですね。
むしろ同性同士で仲が良かった(※ヘンな意味ではない)印象が強いです。
ゼハはダズさんと仲が良かったし、レイルにも慕われています。
ファントム3の〝兄弟たち〟の結束力も忘れてはいけません。
だからザントさんみたいに、故郷に残した妻のことを案じる人の方が珍しいのでしょうね。
(でも、この人の場合も「(年老いた妻の)最期の時が近い」からという理由がありました)
そういえば、いかにも「ツンデレキャラになります」って感じで鳴り物入りで登場したフラムも、ゼハのことを認めるようになりましたが、一向にデレませんね。
やはり、恋愛感情というものが抑圧されているのでしょう。
(まあ実の所、ツンデレにしちゃうと、ウットビットとキャラが被るからというのが理由なのかも知れませんが)(ホントかよ?)
あと、ヴェイガンの人達が『愛することを恐れる』のは、コールドスリープで愛する人との時間がズレてしまうというのもあると思われます。
延命や戦力の温存など様々な事情があるとは言え、同じ時を歩めないというのは辛いでしょう。
先述のザントさんもそうですが、イゼルカント夫婦もそうです。
(この会話中、イゼルカント様の妻ドレーネは、少し離れた場所から悲しそうな目で見つめていました)
話をキオとイゼルカント様に戻します。
「お前には伝えておこう。・・・私の真意を」
イゼルカントの〝真意〟。
それは―
「これはただの戦争ではない。
私はこれまでの攻撃ですべて、生き延びるチャンスを与えてきた。
生きることの意味も知らず過ごす地球種に、私は問うてきたのだ。
生きる意志を、生きる価値があるかどうかを」
これは、ロストロウラン攻防戦で地球・ヴェイガン双方の人間が疑問に思ったことの答えです。
やはりイゼルカント様は地球種に試練を与え、試しておられたようです。
しかし、その問いについて考えるよりも前に、フリットのように憎しみを募らせる者もいれば、保身しか考えずにヴェイガンに近づく者もいます。
また味方側でも、忠誠を誓っているゼハートやレイル達ですら、真意を知らないので作戦に疑問を持っています。
それさえも含めての問いかけだというのでしょうか・・・?
キオとの話の後、イゼルカント様は部屋で休んでおられました。
昼間ルウがやっていたように検査機(?)で体調をチェックしているので、イゼルカントも病に蝕まれているようです。
「あなた・・・。私はあの子がロミに見えて・・・」
横になったままのイゼルカント様に、ドレーネは言います。
「分かっている・・・。運命のいたずらというものか」
イゼルカント様は薬を飲んでますが、これがディーンが言ってた「少しだけ長く生きられる」薬なのでしょう。
完治は出来ず、わずかに延命効果があるだけ。
しかし、一般人には回ってこない高価な代物なので、飲めるだけでもありがたい物です。
立場的に最先端の治療を受けているであろうイゼルカント様ですが、医者の話ではタイムリミットはあと6ヶ月―
火星の時間単位って、ええと公転が何日で、火星の1日が地球の何時間でしたっけ?
あ、でも、地球に憧れているので、地球基準の単位を使っているのかも?
じゃあ、地球の時間であと6ヶ月、でいいのかな?(^^;)
2人は、セカンドムーンを街を見ながら話します。
「なんとしても、持ちこたえねばな。エデンの扉をこの手で開かねばならんのだ」
「ええ。その為に私たちは生きてきたのですから。・・・ロミを亡くしたあの日から」
この後のシーンで、イゼルカント様はゼハートと通信でお話しています。
ゼハは例の原子模型みたいな要塞にいるのですが、そう言えばこの要塞の名前が前回判明しましたね。
ラ・グラミスとか言うそうです。
ともかく、ガンダムAGE-3を奪ったことで連邦の戦力増強の計画を阻止できたと報告するゼハ。
「プロジェクト・エデンはファイナルフェーズに移行します」
そんなゼハートに激励の言葉を言って、通信を終えるイゼルカント様。
「はい、イゼルカント様!」
そう言って、振り返るゼハート。
カメラ目線を視聴者にキメます(^^;)
では最後に、今回のザナルドさんをダイジェストでお届けします。
鹵獲したガンダムAGE-3の分析しているところに顔を出します。
イゼルカント様の指示による、ヴェイガンの技術を加えた新たなるガンダムを作る計画があることを知ります。
「ガンダムですらも生み出せるものなのか? EXA-DB、スゴイものだな・・・」
おっと? EXA-DBのことは既に知ってたようです。
ゼハートと違って教えてもらってないと思っていたのですが、違ったようです(^^;)>
で、EXA-DBに収められた戦争に関する情報はこの時代とは比べ物にならないらしく、もしそれを手に入れたらこの戦争は・・・
「終わると言うのか!! それほどまでのものとは・・・!!」
ガッツポーズで大興奮です(^o^)/
「イゼルカント様! あの少年はガンダムのパイロットです!!」
キオの尋問をイゼルカント様に進言。(パワフルなポーズで)
でも、「まだその時ではない」と却下され、ガックリ(>_<)
「うう・・・」
いつもだったらここで、「おのれ、ゼハート~!!」って感じで人のせいに出来るのにね(^o^;)
「納得できん!! イゼルカント様は、あの少年に心をお許しになり過ぎておられる!!」
司令室でふんぞり返ってるザナルドさん。
机に足を乗せ、両腕を頭の後ろで組んだそのポーズは・・・・おっぴろげジャンプ!?
「確かに。子供とはいえ、敵のパイロットですからね」
同意する副官。
彼は今回から名前が判明しました。ダラス・レギンと言います。
「監視を怠るな! いざとなればあの少年の命、我々の手で・・・!!!」
机を拳で打ち付けるザナルドにビビりつつも、ダラスも同意します。
そして、今回の最後の場面は、いよいよ誕生するヴェイガンのガンダムを見つめるザナルドさん達でした。
「ヴェイガンが作り出す、新たなるガンダムか・・・」
戦争が新たな局面を迎えることを予感させるラスト。
ばっちりキメたザナルドさんでした(^o^)
今回の話で、キオは初めてヴェイガンの人々と直接関わりあいます。
融通が効かなそうな堅物な軍人達や、こそ泥出っ歯少年とか、よそ者を遠巻きに見ている街の人間もいましたが、本質的には優しい心を持った普通の人間です。
イゼルカント夫妻、マリーさん、ディーンとルウと出会うことで、キオはそのことを実感します。
(視聴者的にも、イゼルカント様が案外怖くなさそうて、ドレーネもいい人っぽくって、ニコニコ笑顔の優しそうなマリーさんが出てきたので、安心して見られました(^o^))
それにしても、イゼルカント様です。
ヴェイガンの人間には優しいが、それ以外の人間には冷酷なのかと思ったらそうではなさそうでした。
もちろん、この戦争で打ち立てた計画で、多くの犠牲者が出ています。
ヴェイガンに憎しみを募らせるようになった人間も多くいます。
それでも・・・それでも、子供に優しい姿を見ると、何か妥協点が見つかりそうな気がするんですよね。許されるかどうかは別として。
そんなイゼルカントのことをキオは「恐ろしい魔王」だと聞かされていたわけですが、はたして印象は変わるのでしょうか?
(そういえば、「魔王」呼ばわりした張本人のフリットは今回は出番がありませんでした。今週いつもの殺伐さが無かったのは、そのせいか?(^^;))
ドレーネは第3部の最初の話で初登場したものの、それ以降出番がなかったのでどういうキャラかまったく分からなかったのですが、今回ようやく分かりました。
老人のイゼルカントには不釣合いな美女なので、てっきり黒幕か何かかと思ったのですが、そんなことはなく、普通にいい人っぽいです。
というか、キオの案内された部屋にあった写真を見たところ、この夫婦も昔は年齢がつり合っていた(あと、外見も。昔のイゼルカント様、男前(^^))ようです。
80年前に地球圏に調査に行ったということから、イゼルカントはコールドスリープでかなりの時間を停めてきたのでしょうが、夫よりはるかに若い外見のドレーネはそれ以上の時間を停めていたものだと思われます。
それなりの年に見えるお世話係のマリーよりも、生まれたのは早かったと思われます。
推測ですが、夫が寿命で死んでも計画を引き継げるように、ほとんど歳を取ってないのではないでしょうか?
息子ロミを亡くし、地球を取り戻す計画を立てて、それからずっとコールドスリープしていた。
しかし、イゼルカントが老い、死の病を患ったので、第3部の時代にようやく目を覚ました、とか?
今は一緒にいられますが、もはや夫とは共に時間を歩んでいるとは言えない。
ヴェイガンの悲劇を一番体言している人物なのかも知れませんね。
それにしても、キオが2人の子供に似ているというのは単なる偶然なのでしょうか?
案外、いまだ謎多いアスノ家のルーツに関わることかも知れません。
ベタなとこだと、キオのひい祖母ちゃん(フリットの母)がイゼルカント様と兄妹とか?
そういえばイゼルカント様はヴェイガンの指導者ですが、どういう経緯でその地位に就いたのかも謎です。
もともと火星の名門の出だとか、或いは、火星圏開発プロジェクトのリーダーだったとか。
そんな感じで、政治力とか技術力とかの何かしら実力を買われてリーダーに選ばれた、とかですかね。
取り残された人々には精神的支柱が必要だったでしょうけど、その大任を見事果たして来たのでしょう。
ともかく、キオもいろいろ考えるようになりました。
今週の最後の登場シーンは、出会った人達が言ってたことを部屋で1人で思い出すとういうものでした。
次回は、父アセムがキオを救出に来ます。
父との対面も気になりますが、ヴェイガンの事情、イゼルカントの真意を知ったキオがどう行動するのか、気になります。
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